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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2015

連覇は誰にも譲らない! 小平智が首位タイに

連覇への思いが、執念のパーセーブになった。16番パー4。木の根っこにくっついた2打目は横に出すしか策がなく、5メートルを残した。「前の15番で、初日からのノーボギーは途切れていた」。連続ボギーでこれ以上、流れを止めるのは嫌だった。「是が非でも入れたい」。ねじ込んだ。最後の18番は、しっかりバーディで締めた。首位タイに踊り出た。

飛ばし屋のショットメーカーは、ここのうねるフェアウェイや、グリーンに攻略心をそそられる。「フェードで攻めて、バンカーを避けたりドローで飛距離を出して、傾斜にぶつけて転がすとか。曲げて打つのが好きなので。イメージが出しやすい」と昨年の優勝で、ここでのVルートももはや、頭の中にある。

「今年も1日5アンダーずつ。20アンダーを目標に。今日はひとつ、貯金が出来たから。あすもまた貯金を少しずつ増やしていく」。4日間のプランも決めてある。

ここに来るとつくづくと思う。「福島の人たちの応援はあったかい」。昨年も、東北自動車道の白河インターチェンジを降りて、コースに向かう道中に感じた懐かしさ。日大時代の合宿で、よく訪れた馴染みの土地でもある。

「第二の故郷みたい」。昨年、誕生したこのダンロップ・スリクソン福島オープンで「初代チャンピオン」に輝いてから、その思いはますます強くなった。4年前の震災時には、思い出の場所がどうなっているか気になって仕方なかった。被害を受けたと聞いて、「何か自分にも出来ることはないか」。

優勝を機に、やっと思いを叶えることが出来たのは昨年12月。今大会で共に優勝争いを繰り広げた市原弘大とともに、社会福祉法人西郷村協議会を訪れたのは、クリスマスの25日。市原は車いす3台と、小平からは真っ白な車両に「小平智号」と、書かれた福祉車両を寄贈した。

「お金だけぽんと渡すより、何かお役に立てるものをお渡ししたかった」と、目に見える形の支援にこだわった。福島での思い出がまたひとつ増えて、小平の今大会へのこだわりは、高まった。
「また絶対に勝ちたい。勝ってまた何か、役に立てることがしたい。積極的に取り組みたい」。
相手が誰でも、連覇は絶対に譲れない。
3つ下の後輩へのライバル心も隠さない。「松山は今日、幾つですか?」とスコアを気にして、「同じ舞台でやるからには、絶対に負けたくない」と言い切った。
小平もまた、海外志向が強く、「世界で活躍している選手ですし。追いつかれないように頑張る」。
4打差に迫る怪物は何をしでかすか分からない。その怖さを知っているからこそ、絶対に近寄らせたくはない。

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