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東建ホームメイトカップ 2016
ルーキーの長谷川祥平が師弟デビュー
長谷川がその理論に惚れ込み、高校時代から指導を仰いできたティーチングコーチの中井学が43歳にして、PGAの資格認定プロテストに合格したのは昨年。
ツアーに出るためには、JGTOのQTで出場優先順位を上位で獲得しなければならず、同28位の長谷川にも、同717位の中井にはなおさら、この開幕戦に出場資格はなく、互いに主催者推薦を受けて、初舞台を踏むことになった。
開幕直前になって、中井に「俺も出ることになったから」と言われて、長谷川は驚いた。「一緒にデビュー出来るなんて思ってもなかったので」。
この日12日火曜の練習ラウンドは、さっそく一緒にコースを回って、「めったにない機会なので。自分だけでは分からなかったところも、中井さんがいてくれればはっきりとさせられる。とても為になります」。
師匠の中井も「花嫁の介添人じゃないけれど。弟子のデビュー戦に自分も選手としてつきあえるのは、感慨深い。僕もなんとか予選通過を目標に頑張る」。
もしも、それが叶わなくても中井は週末もコースに残るつもりでいる。「もしオファーがあるなら、レッスン会でもチャリティ活動でも何でも参加するつもり」と中井はいう。
40代も半ばを超えて、中井がプロテストに挑戦したのは「ゴルフを通して貢献活動がしたかったから」。すし石垣のコーチとして取材を受けるようになったのが、まさにちょうど10年ほど前のこの「東建ホームメイトカップ」だった。レッスン業を通じてツアーを見る中で、「同じファンサービスでも、男子は女子と同じようにしても無理がある。もっと違う形でアピール出来ることがあるはず」と、ずっと感じてきたという。
「そしたらもっと男子も盛り上がるはずなのに、と」。
自らも、その一端を担うためには、プロという肩書きがどうしても必要だと考えた。コーチとプロと、二足のわらじをはくことで、活動の幅は確実に広がると思ったからだ。そういう意味でもこの開幕戦で“師弟デビュー”というチャンスを与えてもらったことが、中井には嬉しい。
「どんな小さな話題作りにも、自分がなれるなら」と、思い出の大会で弟子と足並み揃えて、奮闘を誓う師匠。
そのかたわらで「世界で勝てる選手になることが目標」と語る弟子。「そのためにも、飛距離アップが課題」とこのオフは、地元広島で下半身強化のトレーニングに取り組んできたのは長谷川。
記念すべきツアー初戦は、師匠と共に。「1打1打、思い切りよく、少しでも上で!」。ハセショーのプロ人生がいま始まる。