Tournament article
東建ホームメイトカップ 2016
太モモっ・・・! アマチュアの亀代順哉さんが上々の滑り出し
干支にちなんだわけではないが、猿にきっかけをもらった。コースにたびたび姿を見せる。亀代さんは、この日12番で“出迎え”を受けた。右のバンカーから寄せた1メートルのバーディチャンスを打つ直前だ。
「猿がケンカをして騒いで、グリーンの上を走っていって・・・」。
真剣にラインを呼んでいた亀代さんだったが拍子抜けした。
「ラインなんか、気にしている場合じゃないな。気楽に打とう」。
肩の力を抜いて、この日最初のバーディを奪うと、14番でも1メートルの軽い下りのフックを読み切った。
この日は、一つ前の組で先輩がツアーデビュー戦を飾った。ルーキーの長谷川祥平のひとつ後輩。亀代さんは、いま飛ぶ鳥を落とす勢いの大阪学院大の4年生だ。
同組で回った塩見も「彼の名前は知っていた」というとおりに、プロの試合はこれが6試合目。昨季は「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で、ベストアマを獲得したばかりか、 なんと並み居るプロを抑えて、ドライビングディスタンスで1位(平均294.88ヤード)に輝いたのだ。
身長は167センチと小柄だが、体重は85キロ。「トレーニングを休むと太ってしまう」というがっちりとした体格は、特に太とも回りは65センチ強もある。
学内でのトレーニングの他にも専属のコーチについて、来るプロ入りの日に備えて強化を図る。昨年からまた体重が5キロも増えた。
「昨日、トラックマンで計ったら313(ヤード)が出ました」。
本戦に入っても、計測中の17番で303ヤードを記録(平均は290ヤードでランク13位)するなど、気合いが入る。「狙っていこうという気持ち。飛距離でもまた一番になりたい。この身長でも飛ばせるというのを見せたい」。
いま成長真っ盛りは、日に日に逞しさを増していく。
今年は、来季の出場優先順位を決めるQTのファーストステージから挑戦するつもり。目標のプロは松山英樹だ。
先週のマスターズトーナメントも「凄い、という言葉しか出て来ない」と感嘆しきり。「でも、凄いと思っているだけじゃダメ。いずれは自分も、その舞台に立つと思わなければ」と、将来の自分の姿と重ねている。