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日本オープンゴルフ選手権 2016
高校1年生の中島啓太さんが1アンダー
「凄く緊張しました」。
プレッシャーに加えて、プロさえ苦しむ難条件で、1アンダーで回ってきた。
最後は487ヤードと長い18番のパー4で、185ヤードの2打目を6番アイアンで左奥5メートルに乗せて、バーディを奪った。
この日は1日を通して、ラフに入れたのも4回だけ。
「出来すぎですね」と、こぼれた笑顔があどけない。「全力が出せました」と、無邪気に言った。
初日より、よほど昨日のラウンドのほうが緊張したという。
水曜日の指定練習日にメーカーさんのはからいで、アダムと松山と一緒に回れることになった。「一昨日決まって・・・。びっくりした。練習ラウンドになるのだろうか、と」。
今大会は、水曜日からギャラリーの観戦が出来て、昨日は初日以上に大ギャラリーに囲まれて、「僕も一緒にギャラリーになった感じで。昨日のほうが緊張していた」。
それを察した松山が途中で「緊張するなよ」。ポンと肩を叩かれ「余計に緊張した」という。
「僕が芯を食っても、松山さんのボールは20ヤード先にあり、その10ヤード先にアダムのボールがあった」と、米仕込みの飛距離におののき、ラウンド中に話しかけられても上手く応えられずに、ただただ松山の言葉に頷くだけしか出来なかった。
そしてこの日はスタート前に、昨日のお礼に行ったら「自信を持って行け」。憧れの選手の励ましは、次世代のジュニアには何よりの力。
今大会では、真に開かれたオープン競技を目指してJGA/USGAハンディキャップインデックスを所持していれば、年齢、性別、居住地を問わず誰もが参加出来る予選会「ドリームステージ」を実施している。
中島さんは、そこから勝ち上がって出場権を得た史上初の選手と、話題になったが実は、中島さんにはそのもう一つ上のステージから挑戦出来る資格があったのに「それを知らずに受けてしまって。こんなおおごとになるとは思わず」。そんな天然な16歳が、アダムも、松山も従え4位タイにつけた。
「今日は緊張したけど、たくさんのギャラリーに、一杯応援してもらって最高に気持ち良かった」。
今年は女子ゴルファー日本一の「日本女子オープン」で、畑岡奈紗さんが大会史上最年少&初アマVを達成したが「僕も、とはならない。予選を通るってことだけを目標に頑張ります」。あくまでも、謙虚に言ったが先週はJGTOのチャレンジトーナメントで10位入った。さらに2週前のトップ杯東海クラシックではやはり難コースの三好で、自身初の決勝ラウンドに進んでいる。
伸び盛りの高校生が、日本一を決める大舞台でまた大きな成長をとげようとしている。