松山英樹は4バーディ5ボギーの1オーバー「71」。
53位と出遅れ、「残念です。怒りがわいてこないぐらい悪かったんで」と、肩を落とした。
スタートの10番で右奥につけたチャンスを逃すと、11番では右に曲がったティショットがギャラリーにぶつかった。
「大丈夫ですか」と心配し、つけていたグローブを急いで外してサインをし、真摯に詫びた直後の2打目も失敗。
手前のラフに落ちてボギーが先行した。
ピン奥にくっつけた12番ですぐイーブンに戻したが、14番のパー5でまたセカンドショットをミス。
左足下がりのアイアンショットは左の林の赤杭ゾーンのすぐそばまで飛び、4打目は乗っただけのショットに。3パットでまたボギーを叩いた。
今年初めての日本プレーで、初日から大勢の期待を背負った。
「たくさんのギャラリーの方にきていただいて。嬉しかったんですけど、なかなか自分のパフォーマンスがうまくいかなくて。残念な結果になってしまった」と、詫びた。
「一つでも自信があるものがあればいいんですけど、ないんで苦しい」と、澄まそうにこぼした。
「いいプレーをすることだけ考えてやったんですけどなかなか…」。
幸か不幸かパーで切り抜けた17番では、大きく左に曲げたティショットが左の木で跳ねてフェアウェイには戻ってきたが、結果約150ヤードほどしか飛ばず。
グリーンに乗るまで3打かかった。
18番パー5で前半2個目のバーディを獲ったが、折り返してすぐ後半1番でまた3パット。
約7メートルを沈めた3番から連続バーディで「いいきっかけが見つかったかな」と、兆しをつかみかけたが、その途端に5番と8番でもボギーを打ち、精彩を欠いたまま1日が終わってしまった。
日本開催のPGAツアーでかかる絶対エースの重圧。
「プレッシャーは力に変えなくてはいけないと思っているが、力に変えられるほど今の自分の状態がよくない」と、吐露した。
「少しでもプレッシャーがいい方向に左右するように頑張りたいなと思います」と、自分を鼓舞した。
11番で、松山のボールに当たった方は、その後、いったん救護所に運ばれたが大事はなく、またコースに戻って応援を続けられたそうだ。たとえ本調子でなくてもファンの期待に精いっぱい応えようと、挑み続けるメダリストの姿にみな感銘を受けている。