Tournament article
長嶋茂雄 INVITATIONALセガサミーカップ 2016
レジェンドが選手たちを見送る
2人のスターに見つめられ、いつも以上に気合いがこもったショットで出ていった選手たち。
「素晴らしいですね!」とミスターがうなる。
「本当に、その一言に尽きるんじゃないかな」と大きく頷いた青木は、違う意味でも血がうずく。
「こうして競っている人たちの姿を見ていると、自分もやりたくなるね」と、今にも一緒にコースに出て行かんばかりで「勝負に徹する人の態度や顔を見ていると、覇気があっていいなあ、って・・・」。
そんな無邪気な青木にはミスターもエビス顔で「今年は、なんといっても青木さんが会長となられたこと自体が、このプロゴルフ界に広く影響を与えているような気がします」と、改めてその就任を喜んだ。
大会がミスターの名を冠することになってから、ちょうど10年目を迎えるが、ちょうどその“記念”の年に重責を負うことになった青木には、なおさら感謝の念を禁じ得ない。
全盛期には、それこそ長嶋氏と口をきくことさえ緊張して、青木の背筋も伸びたものだ。
「それが今ではこうして隣に座らせてもらって、気安く喋らせてもらっている。私も年を取ってきて、少しは認めていただけるようになったのかなと思う」と、感慨深げに「長嶋さんにはこれだけ長く、大会を支えていただき、改めてスポーツというのはいろんな方々に支えられてこそだと思うし、私も先輩を見習って、出来ることは何でもやっていきたい」と、決意を新たにした。
今年のリオ五輪では112年ぶりに、ゴルフが正式種目に復活することを、ミスターも楽しみにしてくださっているようだ。
「もちろん、日本選手に金を獲ってもらいたい」とのミスターの期待に、青木としても、なんとか応えてくれる選手が出てくれれば。
「やるからには何でも頂点を目指すのが当たり前。世界ランキングで決まるオリンピックは、自分たちが積み重ねてきた集大成のようなものだから」と、いよいよ今月11日にも決定する代表2人に、青木も奮起を促した。