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中日クラウンズ 2016
ゴルファーマスク! 片岡大育が耐えて単独首位に
最後のボギーは悔しいが、イーブンパーのゴルフは「今日の風の中では100点に近い」。
契約先ブリヂストンのクラフトマンに感謝したい。今週、練習日の火曜日に、クラブの底にあたるバンスを削ったのは、1本ン10万円する58度のウェッジだ。
今大会は、2年連続2度目の出場に「和合対策を意識した」。地面が固く、待ち受けるグリーンも「カチカチ」。おまけに、この時期の芝生は「1本1本が太くて。噛んだり、噛まなかったり。噛み方が読めない。簡単に見えるようで、めちゃくちゃ難しい」と、昨年大会も新しいウェッジをおろしたり、特にグリーン回りの準備に時間を割いてきた。
「バンスを削れば、フェースが開きやすく、近い距離でもスピンがかかりやすい」。おかげで、再三のピンチをしのいだ。3番のラフからのアプローチも、「10回打って、2回パーが獲れたら最高」というくらいの高難度。2メートル半のパーを拾った。
他に5番や特に難しい後半なら5メートルをしのいだ15番や、バンカーからみごとに寄せた17番。
「14番のスピンも凄くなかったですか?!」。ピンそばのパーセーブに「しのぎの片岡です」と、自画自賛だ。
この日唯一のバーディも6番で、残り117ヤードの3打目が入りかけ。「自分の中ではスーパーショットが打てました」。
クシャミと痒みにも耐えた。テレビが映る終盤こそ、「愛想が悪い」と外したが、本当は1日中、マスクをつけてやりたいくらい。小学時代からの「つきあい」という花粉症は「時々、足まで痒くなる。重症です」。
スギにヒノキに松とあらゆる症状は今週、風に舞う芝花粉に反応している。
「マスクがなかったら、涙のゴルフ」。この日は1日晴天に、くっきりマスク跡に日焼けしていた。さらに露出が増えそうな決勝ラウンドこそ「どうしよう」と嬉しい悲鳴。テレビ映りか、ゴルフを取るか。たとえ“ゴルファーマスク”も、視聴者のみなさんにはなにとぞ、ご理解をいただければ・・・。
昨年は、ちょうど次回に控えた関西オープンでツアー初優勝を飾った。同大会では40年ぶりという連覇を狙っていく前に、次の2勝目を挙げるのが目標だ。「今週は、チャンス。頑張ってモノにしたい」。27歳も全力で和合にぶつかっていく。