初日にコースレコード新を出した武藤が、またやった。終盤の8番で、今季2度目のアルバトロスを達成した。「しかも、この1ヶ月のうちに2回目というのは、本当に、なんといっていいのか･･･」。連覇を狙った2週前の「ISPSハンダグローバルカップ」は3日目の16番に続く2度目は、まだあの興奮冷めやらぬうちの快挙に本人も思わず言葉を失った。

入った瞬間は、見えなかった。あとから、中継局の日本テレビが押さえたVTRを見せてもらって、二度言葉を失った。
「ピンにまっすぐ飛んで、当たって、跳ねたのがキレイに入ってくれた」と、鮮やかな一撃に、改めてミズノさんへの感謝が増す2日目となった。

残り255ヤードの2打目はフォローの風の中で、握った3番のユーティリティアイアンは、3年前に使用契約を結んだ際に、「一発打って、一目惚れしたクラブ。

普通なら、何度も調整してからバッグに入れるのに、そんなのは本当に珍しい」。

パー5の2打目で楽にグリーンに乗せる用のクラブをと選んだ1本は、アマチュアの方でも易しく使いこなせるクラブで「僕もこれだけは、ずっと手放せない」。

楽に乗せるどころかみごとなカップインに、武藤家の伝家の宝刀の威力を改めて思い知った第2ラウンドとなった。

後半から、また強い風が吹き始めて「球を押さえたい」と、操作を始めるなり3番、4番で連続ボギーを打って、嫌な流れになりかけたところを、ホールインワンよりも、さらに低い確率といわれる奇跡の1打に救われた。
1ホールで一気に3打も縮めて通算13アンダーは、今年のプロ日本一決定戦で、2日目にして早くも2位と6打差の独走態勢を築いて、悲願のメジャータイトルにも一歩、大きく近づいた。

「これで負けたらしょうがないと納得出来る2日間。このゴルフをあと、2日出来れば誰もかなわない」。ビッグチャンスを逃したくない。

• 武藤 俊憲