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レオパレス21ミャンマーオープン 2016

兄ちゃん、見てて・・・! 福永安伸が通算12アンダーに浮上

初めてミャンマーの地を踏むまでは、本当にばたばたしたが、そんな舞台裏も感じさせないくらい堂々と、スコアを伸ばしてきた。
前日2日目までは、ショットに不安があった。ホールアウト後の練習で、アドレスやボールの位置に試行錯誤を加えて、「右寄りに持っていくようにして、安定感がでてきた。アイアンがピンに行く回数が増えた」と、その分、今度は急にパットが入らなくなるというのがゴルフの不思議なところだが、「今日は出だしの10番、11番で1.5メートルのチャンスを外して、12番で2メートルのパーパットも外してしまってボギー先行」と、テンションの下がる滑り出しも、そのあと13番で5メートルのバーディチャンスが決まると、そこからようやく波に乗った。

昨年のファイナルQTでランク12位につけて手にした今季前半戦の出場権。この「レオパレス21ミャンマーオープン」が本人には今季初戦も、出場権が下りてきたのは、大会直前。

慌てて準備にかかる中でも一番やっかいなのが、入国の際に必要なビザの取得だ。何か一つでも書類に不備があれば、強制送還される。出発前に取得しておくに限るが、なにせ日数がない。
「アライバルビザにしようか」と空港に到着してから取得する方法も考えたが、あまりにもリスクが大きく、急いでミャンマー大使館に申請を出したが、宮崎の自宅に届いたのは出発も2日前の先週の金曜日だった。

「出場権はあっても、行けるかどうかすら、ヒヤヒヤでした」と無事、会場のロイヤルミンガラドンカントリー&ゴルフクラブに入ったときは、ほっとした。

10歳から父親の影響でゴルフを始め、2つ上の兄・光伸の1年遅れでプロになった。兄弟のライバル心も、「昔ほどではなくなった」とはいえ、やはり互いの戦況は気になるし、たとえば同じ試合で直接対決なんて、場合によっては「ものすごくやりにくい」。
その最たるが、やっぱり翌年のツアーの出場優先順位を決めるQTの会場で、「一度、あそこで一緒になったけど、あれは本当につらかった」。
あんなシビアなところではなくて、いつかはツアーで共にV争いが出来たら。
「去年、アニキは手首を痛めてしまって、つらい1年。QTはセカンドで落ちてしまって、今年は九州でひっそりと頑張るしかない状況なので」。
ぜひミャンマーから、兄にも勇気と元気を与えられたら。
「僕が活躍すると、兄の気持ちも変わると思う。明日は出来たらトップ10に入れたら。少しでも上を目指してやりたいです」。今年4月には、二児の父。家族にも、そして何より兄にもとっておきのミャンマー土産を持って帰る。

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