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日本オープンゴルフ選手権競技 2017

おかえりなさい!! 石川遼が今季国内初戦

会場の岐阜関カントリー俱楽部は練習日のこの日、11日からギャラリーに公開されて、もっとも注目を集めた石川は、ロープ際から口々に「お帰り」と声をかけられ、笑み崩れた。

「僕が、駄目なときでも“頑張っている姿で、元気が出た”と言ってもらえたり、自分がゴルフをやっている価値を感じられる瞬間。サポートしてくれている人たちに、感謝の気持ちを持って、それを感動で返すというのが自分の方法。それをアメリカでは思えなかった・・・」。

今季国内初戦は、傷心の帰国でもある。5年間、戦った米ツアーで2017-2018年の出場権を逃した。日本で朗報を待つ大勢のファンにもアメリカからついに、感動のシーンを届けず仕舞いで、いったん帰ることになった。

「アメリカで結果がでなかったのは、第一に技術のレベルで勝てるという気持ちが持てなかったこと」と、振り返った。

「小学生に、この試合にポンと出されて勝てると思いなさい、と言われても難しいと思うし、そこまでの話ではないにしても、自分にもそういうところがあったんじゃないのか、と。それが悔しくて」と、本場で魅せるゴルフまでに至らなかった自分を責めた。

「1人のプロゴルファーとして、技術を高めていこうという先にあるのは、自分1人の為ではなく、いかに見ている人に、感動を与えられるか。それが選手の価値であり、重さ」と思えば思うほど、この5年の反省が止まらない。

だが悔やんでばかりもいられない。
大会を翌日に控えて、力のこもった言葉が飛び出した。
「見ている人の心を打つような1打を出来るだけ多く打つのがゴルフをやっている意味。生きるか死ぬかというような1打を見せたいし、そういう気持ちでやれば伝わるんじゃないかと思う」。

そのために、申し分ない相棒を連れてきた。今週、バッグを担ぐのは過去2度の賞金王で、ツアー通算16勝の伊澤利光の甥っ子。伊澤秀憲は石川と同学年プロで、ジュニア時代からしのぎを削った戦友でもある。

石川がプロ入りしてからは親交が途絶えていたが、昨年末に91年生まれのプロで「同窓会コンペ」を開いた時に改めて互いの才能に惹かれ合い、意気投合した。
「僕とは比べものにならないくらい繊細。世界一繊細なプロなんじゃないか・・・。技術的にもかなわないと思っている」とまで惚れ込む石川は、今大会終了後にQTのサードを控えている伊澤に、熱烈オファーを出したという。

「今週は、彼と仲良く和気藹々と出来るからお願いしたんじゃない。ゴルフについて徹底して話して、どんどんやりたいと思ったので、そのためには彼しかいないと」。

諦めて、舞い戻ったわけではない。
「向こうで勝てると思うレベルになったときにまた向こうに戻りたい」。帰国第1戦に選んだゴルファー日本一決定戦で石川が、出直しの第一歩を踏み出す。

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