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日本オープンゴルフ選手権競技 2017
池田勇太は雨にもマケズ
15番で手前4メートルのチャンスを決めたあとから、雨脚が強くなった。「16、17、18、そして1番と難しいところで大雨だったが、そこを2アンダーで切り抜けられたのがデカかった」と、後半3つのバーディにつなげた。
世界ランキングの資格を駆使してアメリカに居座った今季序盤。夏にやっと日本に腰を落ち着けるなり、疲れも癒やさないまま一気に今季2勝を飾った。
「疲れもあったと思う」とその後の足踏みを解消しようと今週は、きゅうきょ現地で特別部隊を編成した。
毎週、専属の堀川智トレーナーは、カイロプラクティックが専門という。加えて今週、福岡からわざわざ呼び寄せたのは、2年前から世話になる理学療法士の広瀬堅太郎さんと、鍼灸師の野崎育海さん。
各部門のスペシャリストによる豪華絢爛のコンディショニングは「早く済むのがいい」と時短のほかにも、気にしていた股関節の違和感もさっそく解消するなど、スイングのバランスも一気に整うなりV争いに突入した。
同様に大会2勝目をねらう小平は、中嶋ら永久シード選手に「ここは2回獲ってホンモノ」と言われたそうだが「俺には言ってくれない」と、ちょっとスネた池田。
初めてタイトルを背負うまでは、この称号の価値もあまり分からずにいたが、「2014年に勝ってからは自分にとって、毎年ひとつの照準になった」と池田ももちろん、小平と同様に、再び勝つ気満々でも「俺は2回とか3回とか、複数勝つことが目標ではなくて、毎年勝つつもりでやっている。勝った瞬間、また来年かなという考えでやってる。その繰り返し」と、言ったとおりに、初制覇から数えて昨年まで3年連続で、最終日最終組を演じて、2年続けて2位につけている。
いよいよ、3度目の正直となるか。
「まだ2日目。まだターボは効かせない」と周囲の期待を軽くいなした。「もう少し煮詰めてあと2日、良いゴルフをしたい」。
エンジンの回転数は徐々に上げて行くのが燃費も良い。