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トップ杯東海クラシック 2017
小平智が新婚初V
満面笑顔のご対面。
「優勝したよ!」。
「おめでとう、良かったね!!」。
3月4日に籍を入れてから、一緒にカップを掲げるという目標は今回、実現できなかったが「一番に、優勝を伝えたいのが美保なので」。
18番のグリーン上で夫婦の喜びを分かち合うことは出来た。
元・賞金女王の妻にも堂々と報告出来るV争いを演じることも出来た。サンデーバックナインは14番のバーディ、ボギーで亨成(ヒョンソン)に3打差つけられ「途中、ダメかと」。
しかし16番で、またドラマが生まれた。
魔のパー3。亨成(ヒョンソン)が、左の崖下に落とした。トリプルボギーで順位がひっくり返った。再び首位タイに返り咲いた。その隙を逃さなかった。
17番では4メートルのチャンスをねじ込みいよいよ単独首位に。最後の18番は、右のラフから池に向かって打つ2打目も「うまくマネジメントが出来た」。
冷静に刻んで、残した85ヤードはSWで奥1メートルにくっつけた。「最後のパットはさすがに緊張した」とパーセーブのガッツポーズで勝負を決した。
交際時も含めて大きなケンカは美保さんが、ポケットに携帯電話を入れたまま、小平のズボンを洗濯してしまったあのときくらい。
「怒ったら、出しとかないのが悪いと逆ギレされた。そっちが確認してよと言い合いになった」と、そんな日常も微笑ましく、今更だが改めて、結婚の決め手は「強いこと言ってますけど家庭的で、意外と炊事洗濯もやってくれるし、料理は何でも美味い。ストレスなくゴルフがやれる」と7歳下の亭主関白でもある。
ツアー通算12勝の元女子プロの妻の励ましも、アドバイスも「要らない」と、言い切る。
「僕と向こうのゴルフは違う。僕のほうが上手いので」。
交際を始めたころに、応援に来てくれた時に美保さんも言っていた。
「女子と男子では、やってるスポーツが違う気がする」とそれ以来、「互いの仕事には干渉しない」が暗黙の了解となった。
「なかなか勝てずに今年はもどかしい半年でしたけど、やっと優勝を報告できる」と妻の理解と献身に、やっと新婚初Vで報いた。
「今回は美保、用事があったみたいで」と、この場で見届けることはできなくても「これから何勝も出来るから大丈夫」と太鼓判を押してくれた美保さん。
「僕もこの1勝で、一生を終わるわけではない。今年はあと1勝、2勝・・・3勝、4勝と何勝でもしたい。次は美保の前で勝ちたい」。
妻の絶大の信頼に、男らしく請け負った。
水曜日のプロアマ戦で、社長とチームを組んだご縁で大会2日目の夜は美味しい名古屋メシでもてなしてくださった。地元名古屋の「株式会社トップ」が特別協賛をつとめる今大会で、賞金ランクもトップに浮上!!
「松山や遼に負けたくない」と米進出を目論む28歳にとって「賞金王は、頑張ったご褒美。それより世界ランク50位内が目標」とつれないが、年末の披露宴に備えて花嫁は、ますます美しくなる。
そのかたわらに立つのが賞金王の花婿なら、この上なく絵になる。