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三井住友VISA太平洋マスターズ 2017
目標はヒデキ越え。小平智が挑む壁
本人にも、少なからず予感はあった。
この日、同組で回った宮本勝昌。
「僕は、宮本さんと回るといつもめちゃくちゃいい」と、言ったとおりに9アンダーを出した。
宮本とは、今季1勝のトップ杯東海クラシックでも予選ラウンドで一緒だった。
「そのときも“素晴らしい”ね、とか“いいね”とか。僕のプレーを見て、自然と出るみたいで」と、お褒めの言葉はそれはもちろん、気持ちがいい。
「いま一番安定感がある選手。かちっとかみ合ったらどこまも行く」と、評したのは賞金3位の宮里優作だ。
「自分で自分のことは分からないけど周りから、そう思っていただけるのは、嬉しい」と、強豪からの賞賛を糧に、28歳はますます力をつけていく。
インスタートの初日は15番で、ピンそばのバーディから止まらなくなった。16、17番と立て続けに1.5メートルにつけてチャンスを奪うと前半最後の18番では、4連続バーディ締めで折り返した。
「でも宮本さんは、僕と回るとあまり良くなくて・・・」と自分1人で抜け駆けには申し訳なさそうに、さらに先週まで4週連続の予選落ちの石川との同組ではなおさら、その勢いが際立った。
伸び悩む2人を横目に前後半とも「ピンチはなかった」と、さらりと言った。
「浮き沈みもなく平常心でやれたし、普通に良かった」と石川が、ダボに沈んだ6番では236ヤードの2打目を、クリークで左5メートルに乗っけて楽々イーグルを奪った。
「打った球と、落ちてピンに寄る感覚が一致している。このコースでは、特にイメージ通りに打てる」と、2015年に記録した今大会での自身の最少ストロークをさらに2打塗り替え、相性の良さを確信した。
昨年はここ御殿場で3位も、首位との差は8つもあった。
大会新記録の23アンダーを出して大会2勝目を飾ったのは松山英樹だった。
今年は昨年覇者が不在でも、リベンジに挑む。
「毎日5アンダーなら、越えますよね? 今週はそれを最終目標にしたい」。
ヒデキ越えの今季2勝目を誓った。