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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2017
石川遼はこれで4週連続の・・・
この日は出だし10番の2打目と、11番と、折り返して1番のティショット。3発のOBがすべてを物語った。
「ここ3,4年でかなり悪くなっていたものを、今までやったことがないくらいに変えているので。前のスイングと、今のスイングが混同してしまうことがある。混同してしまうと、どこに飛ぶのか分からない感じになる」と、前半は制御不能に陥った。
「練習場でも5割くらいしか出来ていないものを、コースで出すのは難しい」と、惨憺たるスコアももはや本人は想定内だった。
「今まで悪い打ち方に慣れてきて、それを急に良い打ち方にしたからといっていきなり真っ直ぐ飛ぶわけではない」。
5年戦った米ツアーでは「見て見ぬふりをしてきた部分」。帰国第一戦の日本オープンで、気づいた。
「これはさすがにひどいな、と」。
今まで怖くて、直視出来ずにいたことだ。
史上最年少のツアー優勝を飾った2007年からピークの一途をたどった2010年にかけて、撮りだめたスイングの連続写真と今とを比べても違いはあきらかという。
「ダウンスイングで身体が開くのが早いのと、フェースの開きも今のほうがきつい。インパクトの時の手元の位置も、今のほうが高い。アメリカがすべてではないが、少しずつ悪い部分が培われていったのか、と」。
それでもごまかして、フェアウェイに置いて、小手先で打っていけば、なんとか予選通過は可能かもしれない。
しかし「この先5年、10年を見たときに、今取り組まなければならないものがある。OBを避けて、予選通過を優先する時期ではないと考えている」とすでに決めた覚悟は変わらない。
それでももうすぐにも復活を期待して、見守ってくれる大勢のギャラリーのみなさん。
「なかなかみなさんの期待に応えられないという葛藤はありますが・・・」と、丁寧に詫びた。
幸い、この日は上がり5ホールで、「練習場で出来ていることができてきた」との手応えもあった。
「ショットが安定すると、ボギーが出なくなってバーディが出るようになる。楽に回れるようになる。単純な話ですが・・・」と恐縮しながら「諦めずにやっていきたい」と混乱と屈辱の中にあっても現状と今の心境を、理路整然と話した。