Tournament article
SMBCシンガポールオープン 2017
亀代順哉がアジア枠からのデビュー戦
先週、タイで行われたアジアンツアーの予選会Qスクールで3位に食い込み、今季の出場権を確保した。
失意の挑戦だった。
最終学年の昨季は日本でのデビューを目指して、QTに挑んだが、サードで失敗。
日本アマを制してノリに乗った昨年序盤はトップアマとして、ツアーで幾度も上位争いに加わりながらも、徐々に持ち味を無くしていった。
一番大事な時期に、パツパツの太ももから繰り出す豪打も消えていた。
「アマの試合では、多少ラフに入れても打てるがツアーでは、勝負にならない。少しでも上に行きたいと、フェアウェイキープに徹したがその分、飛距離が落ちてしまった」と結果にも恵まれなくなると同時に、自信も失われていった。
「プレッシャーには強いほうだと自分でも思っていたけど。ひとつ狂いだしたときの、修正能力はまだまだだった。気持ちがプレーについていかなくなった」と一度は道を断たれた。
落ち込む亀代の肩を叩いて「日本はダメでも、アジアという道もある」。
そんなコーチの言葉がなかったら、今頃ここにはいなかった。
「もう一度、自分の力を確かめてみるためにも行ってみようと思った」と、思い切って腰を上げて本当に良かった。
今大会と、翌週の「レオパレス21ミャンマーオープン」ともに、Qスクールからの出場枠が確保されており、タイからいったん日本に戻ってきゅうきょ航空券やホテル、入国ビザを手配して慌ただしくシンガポールのチャンギ空港に飛んできたのが、開幕前日は18日の早朝5時。
ホテルで仮眠を取り、この日はプロアマ戦終了後の午後13時から解放された練習ラウンドに備えて、コース入りしたのが11時。
すぐに見覚えのある顔を探した。
タイのQスクールの会場で、「来週のキャディをさせて欲しい」とリクルートしてきたマレーシア人のキャディさんは、ひょっとしたら、亀代よりも若く見えるが25歳だと後から分かった。
メールで送ってきた約束の場所に姿が見えなくて、炎天下を探し歩いて、パッティンググリーンで無事、再会出来た。
サバさんは、先週のQスクール時から亀代のことを、「グッドプレーヤーだ」と絶賛していたから、先見の明はある。
やはり、アジアンツアーで戦う先輩プロの川村昌弘は、新たな仲間が出来たと亀代を歓迎しながら、ここから這い上がる厳しさを教えてくれた。
序盤は欧州との共催が多く、Qスクールからの選手には、ほとんど出番がないらしく「Qスクールからシード権を獲るのは相当、難しい」と、川村は言ったが今はただ、初戦からデビュー戦にこぎつけたことが、亀代には嬉しい。
「自力でつかんだ出場権。やったぜという気持ち」と、日亜いずれの枠で出るとしても、今はスタートラインに立てた喜びだけがある。
「アジアから、日本のシード権を獲るという道もある。プラスに捕らえて前を向きたい。ルーキーとして、恐れることなくやりたいように、やってみる」。
逆輸入選手の誕生を待ちたい。