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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2018
薗田峻輔が、今季初の予選通過を果たす
「長かった・・・」と最後の9番は、安堵のバーディ締め。
同組で回ったベテランの横田が、握手を求めて「長いトンネルお疲れ様」。
どんなに苦しい時期でも「仕事とプライベートは、出来るだけ分けたい。ゴルフ場を出たら、暗い素振りは見せてないはず」。
本人はそのつもりでも、置かれた状況を知っている人たちには、それはもちろんたくさん心配かけた。
あのジャンボ尾崎から、励ましのメッセージをもらったことも。
そんな恩人たちにもなんとかひとつ、良い報告をすることが出来る。
「コースに対して逃げたりせずに、真っ向からぶつかって、予選通過というのがようやく出来た。凄い遅いけど・・・自分の中で段階を経て、まずひとつクリアが出来た」と久しぶりに、笑顔がこぼれた。
ティショットの不振に苦しみ続けたこの半年間。
練習場や、練習ラウンドでは良いゴルフが出来るのだ。
だが、いざ試合になると「ティショットでいいところにいる機会がない。たまに、フェアウェイに行っても、結果的にいっただけ。また次も、同じ球が打ててと、そういう状況に、持っていけないからまた苦しむ」。
2試合連続で、初日に80台を叩いたのは、5月の日本プロ。
「初日から、あまりにもカットラインから外れるから。変にシビアなラインじゃない。論外だから。次の試合でまたやれることをやるだけと、そういう繰り返しが続いた」。
100番台での予選落ちが続いた序盤。
カットラインにあと1打というような、惜しい状況が作れるようになってきたのは、ようやく夏を過ぎたころ。
そして今季初の60台を出したのが、やっと今週初日。
「今日は伸ばすぞと思っていたくらい。ドン、と自信が出た」。
結局この日はイーブンパーも、35位タイでやっと週末のコースに出られる。
「通っただけで終わりじゃない。でも、これでようやくひとつきっかけが出来た」とやっと、前を向ける。
ツアー2勝の選手が今季、ようやく予選通過の壁を破って痛感するゴルフゲームの難しさだ。
「今までは、多分たまたま答えが合っていただけ。果たして、その“途中式”は合っていたのか。勝ってからも、勝つ前も、途中式が合っていないゴルフを自分はやり続けていたと気づかされた」と薗田は言う。
「苦しい時間帯を抜けて、成長できればまた生まれ変わって上で戦えるんだろうなと思う。僕にとってはかなり大事なこの1年」。
残りもあとわずかだが、それもまた、ひとつ階段を上がるための試練と捕らえて薗田の苦闘は続く。