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マイナビABCチャンピオンシップ 2018
石川遼は様々な肩書きを背負って狙う復活のV15
「10年前というより1年前でも、自分が選手会長になるなんて、まったく思っていなかったですけど」。
苦笑しながら、プロアマ戦が終わってすぐに、臨んだ18番グリーン奥でのテレビインタビューの最後に、PRにも余念がなかった。
石川の発案で今季から販売を開始した大会オリジナルのピンフラッグは今週、クラブハウス前のテントと、ギャラリープラザのインフォメーションブースで販売中!
「選手のサインで一杯にして観戦のお土産にしてくださいね!!」。
今週の選手会長は、ホストプロとしてのつとめもある。
大会特別協賛の「マイナビ」のイメージキャラクターに就任したのは08年に、ここで劇的なプロ初優勝を飾った翌年から。
開幕前日のこの日水曜日はプロアマ戦で、同社の中川信行・代表取締役社長とチームを組んで、和気藹々。
「社長はゴルフが本当に大好きな方なので。“どうしたら上手くなるんだろう”とか、そういう他愛もないお話をさせていただきながら、今日も楽しく過ごしました」と、接待役に徹しながらコースの下調べも、ぬかりない。
今年はここ関西でも、台風や水害の甚大な被害と無縁ではなかったはずだが「そういうことがあったことも感じさせないメンテナンス。グリーンも凄くきれいに仕上げていただき、天気次第とは思うが、今年もめちゃくちゃ速いんじゃないか・・・」。
高速グリーンへの警戒は相変わらずだ。
最終日の18番の池で、派手な水しぶきを上げたアプローチを3メートルにつけた。劇的Vを飾ってからもう10年。
「手に伝わってくる感覚は、覚えていないですけど、どういうイメージで打ったかというのは覚えている」と、鮮明な記憶をたどりながら「10年前の18番も刻まずに、手前の池はOKという判断で打っていた」とウォーターショットも計算した怖いもの知らずの挑戦心は、今もあの頃のまま。
米ツアーから撤退してすぐに5年ぶりの出場を果たした昨年は、ここで3試合連続の予選落ちを喫した。
アメリカに行く前まで、一度もトップ10を外さなかった今大会だっただけに、症状の深刻さを伺わせたがあれから1年をかけて、懸命にゴルフを立て直して先週は、今季4度目のトップ10に食い込み、復活を匂わせたばかりだ。
「コースが変わるだけで、自分が取り組むことは変わらない。1日1日同じ練習を繰り返して精度を高めていく」。
勝てば、史上最速のツアー通算15勝の記録もかかる。
ホストプロの選手会長が、今度はここABCGCで、劇的な復活Vを狙う。