今日も朝から華麗に舞ってドヤ顔だ。この日は、虎ダンスがいつにもまして、際立った。太平洋に向かって吹き降ろす北風は、足元もついよろめく。
「風が強かったので、フォローのホールはいつもよりもっと高く、遠くに飛ばそうと思いました。10番ホールでは320ヤード以上飛んだ」と、愉快で豪快なスイングに、スコアを合わせて難条件で67を出した。

釣竿を投げ入れるときのような、しぐさの素振り。
フィニッシュで、派手に蹴り上げる右足。気合が入るとそこに、解読不能な気合の言葉が入ることもある。
プロになる前は、水産加工の仕事についていた。その経歴から、フィッシャーマンズスイングともよばれた。

ユニークなそのゴルフスタイルが世界中に拡散され、大人気を博した今季、今週で見納めにしたくない。
現在賞金ランキングの37位は、次週のシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズＪＴカップ」に5年ぶり2度目の出場を果たすにはまだ足りない。

「今年はたくさんのみなさんに、愛していただき感謝している。ぜひ結果でこたえたいという気持ちはあるが、欲張りすぎてもいけない。残り2日で1打でも縮められるように、ガンバリマスっ!!」。
注目を浴び続けてきた今シーズンの終わりにこそ勝利の舞で締めくくり、次週も舞台に立てたら最高だ。

• 崔 虎星