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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2018
今年の宍戸は大量アンダー?!
一昨年は塚田陽亮が通算2アンダーでツアー初優勝を飾るなど毎年、タフなコースでシビアなセッティングが話題となる今大会だが、先週優勝の秋吉翔太が報道陣に答えて「今年はかなりいいスコアが出る雰囲気」と語るなど、今年は開催前からやたらと大量アンダーを予測する選手たちの声が聞こえてくるのだ。
確かに、先週のザ・ロイヤルゴルフクラブは史上最長の8000ヤード超。
「秋吉選手に限らず、みんな先週のをやってきているから。今週はだいぶ楽に感じるだろうとは思う」とその点では佐藤も納得。
あとは、ラフの深さだ。
毎年、宍戸ではすっぽり埋もれるほどの長さが選手たちを苦しめるが今年は、例年ほどではないのは佐藤が事前に意図したことでもあるからだ。
5年ぶりに大会に戻った石川遼が残したコメントが、言い得て妙だった。
「5年前に出たときは、ラフに入れたらとにかく出すだけに感じましたが、今年も深いところは深いのですが、場所によっては“狙う”というチョイスを僕らにさせてくれる。いろんな選択肢があるセッティングと感じた」。
通算10勝。開催コースは違うが、佐藤も今大会の歴代覇者(2002年)として宍戸で戦い、またテレビ解説をつとめるようになってからは、ロープの外からゲーム展開を見るなど今大会に関して常々感じていたのは、「たとえばもっとも難しいと言われる17番。(481ヤードの)長いパー4で、ティショットをラフに入れたらもう池の手前に刻むしかないというはもったいないのではないか、と。優勝争いで、そこまで首位で走ってきても、ティショットのミス一発ではいもう終わりというのはどうなのか、と。たとえラフに入れても選手には、もっといろんな選択肢があっていい」。
そんな思いから、特に17番はラフに入れても選手によってはグリーンを狙っていけるという、ぎりぎりのラフの長さにセッティングしてみたいと競技委員会に要望を出したのだという。
そのために例年よりは、楽に選手たちには映っているのかもしれないが、「もともと宍戸はそれだけでも非常に難しいコースレイアウトなので。そんなに驚くほどロースコアにならないのではないか」と、佐藤は踏んでいる。
また昨年は、南アフリカのノリスが4打差の大量リードで勝つなど、過去にもたびたび大差Vが繰り返されたが、「今年は、出来れば最後までもつれる展開になるように」と願いを込めつつ、いよいよ開幕を目前に、下準備は佳境を迎えている。どの選手にも平等の条件をというのはなかなか難しいことと承知で、ピン位置など「本戦に入っても、なるべくフェアなセッティングが出来ればと思っています」。
とはいえ、思うがままにならないのは、戦いに挑む選手たちも、それを迎え入れる側も同じ。
さてさて、今年は宍戸の森でどんなドラマが完成するか。