Tournament article

日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2018

武藤俊憲が卒業の中嶋に「感謝」

レジェンドの、宍戸で最後の奮闘はすぐ後ろの組で見ていた。中嶋の後に続いて通算6アンダーの6位と好位置で上がると、先に上がった大先輩が、向こうから武藤の姿を見つけて来てくれた。

「むっちー、ナイス!」。
「ありがとうございます!」と敬礼。
そして感謝。
「中嶋さんの言ったとおりでした」。
ツアー通算48勝の永久シード選手は、しかし「同じ群馬出身」というよしみで「教えてください」と、素直に頼めばいつでも快く応じてくれる。

2週前には関西オープンで、予選ラウンドを共にして終わってから講義を受けたのはグリーン上。
「打った感じと、実際の転がりが合ってない。グリーンの状況に応じて、パターを変えたら」と、言われてから週替わりで違うタイプを使っている。
今週も、センターシャフトのマレット型で正解だった。
後ろの組で、初日から連日、快調にスコアを伸ばしながら、偉大なその背中に疑問をぶつけた。
「卒業なんて、冗談なんでしょトミーさん」。

中嶋が、メジャーは今季限りの撤退を表明していたことは、すでに知っていたが信じてはいなかった。
「ご本人が、本当に考えて出された答えなんだろう」と理解を示しながらも、まだ半信半疑だ。
あまたある、日本タイトルのほとんどを総なめにして、数々の伝説を作った中嶋。「僕も、こ〜んなに大きく両手を広げて待ってるけど、なかなか来ない」と武藤はツアー通算6勝はあるが、複数年シードがつくメジャーVはまだ。
40歳。そろそろ、獲りどき。
尊敬するレジェンドが卒業を決めた舞台で、初タイトルを献上したい。

関連記事