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〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ 2018
嘉数光倫(かかずてるみち)が怪物相手に「対応できる力はある」
2番は左ラフからチップイン。
「今日は風がだんだん強くなったが対応できる力はある。自分で勝手にそう思っている」。
初日に続き、この日もまた前のティを使って、7700ヤード超でも、こうまで風が強いと「体感はもっと長い。厳しいラウンドになるとは思ったけどポジティブに考えたら、いい結果が生まれた」。
地元で過ごした頃は、生活の一部だった。
「ゴルフの時だけじゃない。沖縄の人は朝、玄関を開けたらすぐ風を感じている。物が飛ばないように気をつけたり風が吹くと、集中できる。風が吹くと、有利だと思う」。
沖縄の風に吹かれて磨いたショットを駆使して、後半は12番から3連続バーディを奪った。
今は熊本に住むが「ときどき帰ると、原点に戻れる」。地元のゴルフアカデミーで校長をつとめる父親の森勇さんは、かつて女子プロの諸見里しのぶさんや比嘉真美子さん、新垣比菜さんを教えた。
「僕のスイングも昔から知っている。時々見てもらうと安心感がある」とこの大型連休中にも、里帰りをしたばかりだった。
昨年のQT順位は40番目と、当初は今大会の出場権もなく、今月2日にこのコースで行われた予選会で、68のトップ通過で出場権を獲得。
モンスターの異名を取るザ・ロイヤルゴルフクラブは昨年のチャレンジトーナメントでも回っており、もはや免疫もすっかり出来ている。
「相性抜群です。なんかスコア出ます」と、怪物も手なずけ今季はやっと自身の2試合目にして4アンダーでの決勝進出は自身初の首位タイに「大チャンス」と、目が光った。
日本予選を兼ねた今大会では、上位4人が出られる。
世界最古のメジャーの舞台もまた強い風が吹く。
「俺が出るなら全英だろ、と。長所が生かせるんじゃないか」。
28歳のしまんちゅは“怪物”と格闘しながらどこか楽しげに、遠くリンクスコースに思いを馳せる。