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中日クラウンズ 2018

小平智は「第二の地元!」名古屋で凱旋

あの快挙と経験と、それに伴い自身が感じた思いを直にファンや仲間に伝えるだけでも、大きな意味を持つ凱旋出場である。
「RBCヘリテージ」で、米ツアー初制覇を達成した小平が、中日クラウンズで国内初戦を迎える。

帰ってきて、石川遼にもこう伝えたそうだ。
「確かに自分は凄いことをしたとは思うし、嬉しかった。でも、実際に優勝した瞬間の気持ちは日本で勝ったときと、ほとんど変わらなかった」。

石川はその言葉を「日本で優勝した経験が、PGA(米ツアー)でも生きてくる」と、理解した。
「小平さんは、アメリカでも日本で優勝した経験を自信に、臨めているから結果が残せた」。
日本選手も世界で互角に戦えるというのを実証してみせたということでも、小平の功績は大きいと石川は言うのである。

本人も言い切る。
「日本ツアーには、僕より上手い選手が一杯いるし、若い選手みんなにチャンスがある」。

会場入りするなり仲間から握手攻めにあった。火曜日から観戦が出来る今週は、早くも練習ラウンドから大勢の報道陣と、ギャラリーを集めた。
そしてこの日のプロアマ戦では、サインを求めるファンにもみくちゃになるなど「今まではなかったこと。周囲の変化がありすぎて、そこに戸惑っている」。

帰ってみて初めてその反響の大きさを実感しながら、しかし、これもまた石川が言ったことだが、「小平さんはあれだけのことをしながら等身大。勝っても今までと何も変わらない」と、それだけにますます周囲に与える刺激は大きい。

一緒に練習ラウンドした岩田寛は「チャンスがある以上、俺もまたアメリカに挑戦する」と言ってくれて、嬉しかったと小平は言う。
「みんなアメリカは別物と思っているから、別物になる。僕は日本の試合と変わらない感覚でやったし、“小平が優勝できるんだから、俺も出来る”と思う選手が増えてくれれば、ありがたい」。

あの快挙を機に、今シーズンと、この先2年のシード権を獲得して、米ツアー専念を宣言した。
そんな多忙な合間をぬって、迎える今週の帰国初戦は仲間にそんなメッセージを贈りながら、「第二の故郷」と言ってやまない名古屋で、大会初勝利を目指す。

キャップの左サイドに刺繍されている。スポンサー契約を結ぶ地元名古屋の「TOYOTA L&F(トヨタロジスティクス&フォークリフト)」には、海外転戦中も大変世話になっており、「オフには名古屋の工場見学にも行かせてもらった」。

そんなご縁もあり「名古屋が好き。コースも好きだし、歴史もあるし、海外のビッグネームも勝っている。自分もここで優勝したい」と強い思いで舞い戻った。

“凱旋初日”の直接対決は昨年覇者の優作と、米ツアー優勝の一報を聞いて、いち早くメールをくれた石川。
祝福の言葉に「中日クラウンズで勝負だな」と、返信した。「バチバチでやりましょう」と、石川も受けて立った。
負けられない。
「優作さんは昨年ここで勝っているし、3人の中で勝っていないのは僕だけ。勝ちたい」と改めて、和合での“初優勝”を誓った。

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