Tournament article

日本プロゴルフ選手権大会 2018

宮里優作が連覇を狙う

第86回のプロ日本一決定戦は開幕を前日に控えて、9日水曜日に行われた主催者による記者会見で、宮里優作が連覇にむけて、意気込みを語った。

昨年の舞台は沖縄。
「運良く地元で優勝することが出来て、賞金王にも弾みがついた試合のひとつ」と、思い出深い。
「今年はディフェンディングチャンピオンとして、大会に帰ってこられたことを嬉しく思う」と改めて、当時の感動を噛みしめながら立つのは、千葉県の房総カントリークラブだ。

2015年まで今大会主催の公益社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)と、我々一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)共催のチャレンジトーナメントを開催していた舞台でもあり、あれからじっくり3年半をかけて、コースとPGAが手塩にかけて来られた甲斐あって「本当に素晴らしく仕上がっている」。
前日8日火曜日のプロアマ戦と、この日9日は9ホールの練習ラウンドで宮里も実感したのは「昨日も、今日もこの大雨の中でも、グリーンに水ひとつ浮いていないというコンディション。これだけグリーンの状況をキープできるということは、相当に入念に手入れをしていただいたということ」と、そのご努力には頭が下がる。

そして、それゆえの難解さにも頭が下がる。
倉本昌弘・PGA会長によると、まずラフの長さは平均70ミリ程度でも、「芝目を立たせてボールがすっぽりと入ってなかなか飛ばないように、グリーンに乗せにくいようにセッティングをさせていただいた」。
その分、フェアウェイ幅は比較的ゆったりと、広いところでは、30ヤード以上とってあるホールもあるといい、ミスショットとナイスショットの対価を明確にしてあるという。

ほかにもフェアウェイとラフの色のコントラストを大きくつけることで、ティインググラウンドから見下ろした際にフェアウェイが、実際よりも狭く見えるという視覚的な効果を狙ったり、ティーインググラウンドとセカンド地点、またセカンド地点とグリーンのそれぞれの向きをあえてずらして設定することで選手に構えづらさや打ちづらさ、狙いづらさといった印象を持たせるなど、細部にわたるこだわりの演出も。

さらに改造を加えた15、16、17番の3ホールでは、453ヤードと457ヤードの距離の長いパー4とで、こちらもまた224ヤードと長いパー3を挟みこむなど、優勝争いのかかった終盤ホールでのドラマも期待できる。

そして難コースの最大のスパイスといってもいいピン位置に関しても、今年はテレビ解説でもお馴染みのシニアプロの牧野裕をセッティングアドバイザーに迎え入れるなど磐石の体勢で、選手たちを迎え撃つ。

「ショットとパット、すべてが揃っていないとスコアは出せない状況になっている」と、昨年覇者の気持ちも引き締まる。
2年ぶりの出場を果たした石川遼には、会見に立ち会われた山村章夫・コース代表取締役も大いに期待を寄せられた。
「山村社長も言われたように、石川選手が上位にからめばおのずと大会は盛り上がってくる」と宮里も、笑顔で頷く。
「僕も、連覇が狙える立場でもあるのでメジャーらしく、粘り強く試合を展開して、石川選手と共に上位争いが出来ればと思う」。
いよいよ、今年のプロ日本一をかけた戦いが始まる。
  • 威信をかけて、セッティングをほどこした倉本昌弘PGA会長
  • 宮里も会見で連覇への意気込みを語った

関連記事