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SMBCシンガポールオープン 2018
石川遼は16位タイに終わる
嫌な予感はあった。
開幕直前に発症した右肩甲骨の痛みがぶり返していた。
「朝から体がまったく動いていなくて、トップが入らない。ダウンスイングで体が早く開くことが多かった。修正できなかった」と、早朝の練習場からショットに精彩を欠いたままコースへ。
払拭できないままで第3ラウンドの競技再開に臨んだ不安がもろに出た。
15番でボギーを打つと、18番ではティショットを左に曲げた。刻んだ2打目はバンカーに入り、バンカーからの3打目を、左の池に入れた。ダブルボギーで、首位のガルシアと大差がついた。
ほとんど休み間もなく望んだ続く最終ラウンドでも見せ場を作れず最後の18番で、10メートルものバーディパットが駆けつけた地元ファンにはせめてものハイライトになった。
高温多湿の中で、こなした計27ホール。「最後はちょっと、かすんでいた」とさすがにもうろうと、疲れを隠せず圧勝のガルシアを、視界にとらえることもままならなかった。
体力面でも、昨季から取り組んできたスイングの再構築も、少しずつ手応えは出てきたと言っても「4日間、持たなかった。4日間、持たないということが分かったのが収穫だった」と、現実を見据えた。
「ガルシアの底力を感じた。こういうコンディションでは底力がないといけない」と、今季初戦から改めて、昨年まで5シーズンを戦った米ツアーの厳しさと、レベルの高さを目の当たりにして「僕は力が備わっていない。練習も足りない。4日間、持たないことが今日初めて分かったので、また練習あるのみですね」。
史上最年少の就任から最初の実戦。
今週は、会場でスポンサーの挨拶回りに追われるなど「それもまだこれから。歴代の選手会長の方々のお話も聞きながら、自分の色も出していきたい」と、こちらも手探りで歩き出す。
復活を期すゴルフも新選手会長の2018年も、まだ明けたばかりだ。