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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2019
沖縄出身。嘉数光倫が、首里城焼失に消沈
「僕らのシンボルですから」。
自宅のある名護市からなら、車で1時間ほど。那覇市にある首里城(しゅりじょう)が燃えていると、キャディからメールが届いたのは31日の早朝。
慌ててテレビをつけて唖然とした。
会場についてもすぐ、県プロの正岡竜二や、比嘉一貴と話題になったのはそのことだった。
地元が誇る世界遺産の壮麗な姿を初めて見たのは小学校の遠足のときだ。
その後も県外から来た知人のガイド役などで、何度か足を運んだ。
「まさか自分が生きてる間に、なくなるとは。穴が空いたみたい」。
完全に焼失したと聞いて、消沈した。
この日2日目のプレー中も、「自分に何ができるかな、ということをふとした時に考えた」という。
衝撃をまだ引きずりながら、67で回った。前日のイーブンパー、52位タイから通算5アンダーの19位タイで、決勝ラウンドに進んだ。
「これから詳しい原因とかわかると思いますが、再建するとなったときには必ず県出身プロとして、自分も少しでも力になりたい」。
おりしも次週は、地元開催の「平和PGM選手権」が控える。
県を代表するプロのひとりである宮里優作も、ホストプロとして今季のツアー初出場を果たすことが決まっている。
「女子にも県プロは多いし、みんなでワンチームになって、アクションを起こしたい。その雰囲気作りを自分もできれば」。
2日目を終えて、首位とは5打差。
悲嘆にくれる里帰りの前に、よい土産も作りたい。