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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2019

42歳の推しメン。矢野東が大事なホスト試合

今年、苦しい夏を過ごしたが、大事な試合に間に合った。
今大会特別協賛社のマイナビとサポート契約を結んで8年目の矢野東。
「何より今週、痛みがなくプレーできるのが嬉しいです」。

8月に左手首に原因不明の痛みを発症した。「クラブを握るのもやっと。痛くて練習もできなかった」。
MRI検査で炎症が起きていることが分かり、治療に努めて2か月あまり。2週前からやっとまともにグリップできるようになり、ほっとしたところ。
ホスト試合で、腕試しだ。

2000年のプロ入りからツアー3勝をあげて、08年には片山晋呉と賞金王を争い、自己ベストの賞金ランク2位に。翌09年の全米オープン第2ラウンドでは、日本人として大会ベストの65を記録。
活躍したが、椎間板ヘルニアなどケガに見舞われ14年に、11年守ったシード権を失った

翌12年にすぐシード復活を果たしたものの、17年には今度は右ひじの痛みが悪化。手術に踏み切った。
18年8月に、プレー中のケガを公傷とみなす特別保障制度の適用を受けて復帰し、今季も対象5試合で再復活をはかったが、うち予選通過できたのは、1試合だけ。
うまくいかなかった。
この先は今週のように、主催者推薦などで得た出場権で、少ないチャンスをつかみに行くしかない。

ケガで出られなかった年には観戦ツアーのガイド役でギャラリーサービスに励むなど、ホストプロのつとめを果たしてきたが、どんな不遇の時代も「出来る範囲で頑張ってくれればいい」と、過度なプレッシャーをかけることもなく、見守り続けてくださる中川信行・マイナビ代表取締役社長。
感謝しかない。

2000年のデビュー時は、茶髪にピアスで人気をさらった平成のファッションリーダーも、もう42歳。
自らハサミを入れるという髪には今や白髪も交じり、今週はプロ仲間からもさかんに指摘されたが、それにもまた年齢に沿った渋みが漂う。

試合がある時でも週3回、30分前後のランニングを欠かさずメタボとは無縁。
今年、JGTOがスタートさせたファンとの交流イベント「ゴルフFANプロジェクト」ではクローズアップメンバーに選ばれ、ベテランの”推しプロ”として活躍。
「ツアーをよくしようと取り組む人たちと一緒に、自分も少しでも盛り上げられたら」。
今週も、細身のパンツを颯爽と着こなし、大会と男子ゴルフのPRにつとめるつもりだ。

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