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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2019
タラタラにはジェラシー? 石川遼がシブコさんに贈る言葉
「AIG全英女子オープン」で、日本に42年ぶりのメジャー制覇をもたらした”シブコさん”は、瞬く間に社会現象になった。
一夜にして日本中を笑顔で魅了したシンデレラストーリーについて「これだけ短期間で1人の選手につくギャラリーが増えることはないんじゃないか…」と、まるで人ごとのように言ったが、一夜にして時の人となったのは、石川とて同じである。
史上最年少で、男子プロの試合を制したのは07年。
さっそく”ハニカミ王子”との愛称もついて、どこへいっても何をしても騒がれた。
一人ではとても歩けない状況は、当時ほどではないにせよ、今も石川を取り巻く状況は変わらない。
「大変でしょって僕も言われるし、僕も渋野さんを見て大変だろうな、って思う」と、自身の境遇に重ねながらも「僕のときとは全然違う」と、石川が断じた理由は達成時の互いの年齢差。
石川は当時15歳だった。かたやシブコさんは20歳。
「15歳は本当に子どもなので。回りから何を言われても、どういう目で見られても、僕は全然気にならなかったんですね。でも20歳は違う。大人じゃないですか。大人になってからこういう状況になると、考えてしまうことが増えてしまうんじゃないか…」。
石川のときだって取材は殺到したし、ゴルフに関係ない質問もたくさんされた。しかし、15歳の少年にはそれが異常事態とも分からずその無邪気さが、また人気に拍車をかけたものだが、「僕はまだ周りが見えていなかったので。ひたすら白いボールを追いかけていただけの僕のほうが、きっと楽だった。でも渋野さんは、周りがすごく見えている選手だと思うし、20歳でこういう状況になると、僕なんかよりも大変なんだろうな、と…」気遣った。
実際に、渋野さん自身もよく「静かに暮らしていたかった」と、こぼすことがあると聞く。まだ20歳になったばかりの女性が私生活まで追いかけられる心情は、いかばかりのものか。
「彼女にしかわからない悩みもあると思う」と、深い理解を示した石川は、そんな渋野さんにエールを贈った。
「渋野さんを目指してゴルフを始める子。たくさんのギャラリーの前でプレーが出来たり、メディアの方に注目してもらったり。今の渋野さんみたいになりたいと思って練習にさらに打ち込んでいるジュニアの子もたくさんいると思うので。それを忘れないでいて欲しい。自分でも、そこは忘れたくないなと思っていること。ボールには人の想いが乗っかると思う。応援されることが、僕は絶対に力になると思います」。
そして、今の”シブコさんフィーバー”には、羨ましさもちょっぴり?
「僕は食べているものまでは注目されなかったので…。そこは少し悔しいな、と」。
”タラタラ…”に、ジェラシー?!
男子ゴルフの選手会長も、負けてられない。
3年ぶりの復活優勝を飾った日本プロから1カ月半も経ってしまったが、「僕は”2週連続優勝”を目指すつもりで、頑張りたいと思います」。
男子ゴルフに再び波を起こす。