Tournament article
HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2019
週末の虎劇場、開幕
3日目はもっとも強い風が吹く中で、「勝とうとしない。風に乗ってプレーしました」と、再三のガッツポーズも気まぐれな風に乗り、右手、左手、クルクル舞った。
沖縄の風と楽しそうに遊びながらも時折、消沈。
11番。左のOBを避けて、右のバンカーに入れた2打目を、寄せられず、30ヤードの下りフックは強烈な追い風も加わり「ノーブレーキ。新幹線です」。
ほとほと手を焼き3パット。
さらに、2段グリーンの上に乗ってしまった17番も。
「ノーブレーキ。新幹線です。頭痛いです」と、呪文のように繰り返して再び3パットのボギーとしたが、いよいよ最後18番では登り手前の3メートルを逃さず、きっちりとバーディ締め。
今平に1差をつけて、上がった。
昨年11月に、日本ツアー2勝目を飾ったカシオワールドオープンもまた、強い風のゴルフを制した。
続く3勝目は「明日も、メンタルゲームになる。最善を尽くします」。
釣竿をしならすようにクラブを振るユニークなスイングと、愉快なパフォーマンスで世界中に虎旋風を巻き起こしたのは昨年。
同じ”虎つながり”で言えば今年は、先月の「ZOZOチャンピオンシップ」で、歴代最多の82勝を飾ったタイガー・ウッズが浮かぶが、その感想を求められるたび、プルプルと手を振り謙遜。
一緒にするのは畏れ多いと、ノーコメントを貫く虎さん。
今年から、サイン色紙に「虎」の漢字を書き込むことにした。「サインだけだと、分かりにくい。練習しました」と、日本ツアーだけの”限定版”は書く前になぜか必ず「虎!」と、口にしてから一筆。
…決まった!
沖縄の風に吹かれて、止められないグリーンと同様に、虎さんのリップサービスも止まらない。
この日の取材に持参した翻訳機のポケトークが、なぜか反応せず結局、カタコトの日本語で通した虎さん。
「今日、プレー、難しかった」
「よかった」。
「今日、元気です」
「頑張ります」
「みなさん、明日応援、選手全員、宜しくお願いします」
「ありがとございます〜〜〜」。
一方的に、言えるだけ言って自ら締めた。
3日目の虎劇場は、ひとまず大騒ぎのうちに幕を閉じた。
「また明日!」。------続く。