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SMBCシンガポールオープン 2019

2019年の新顔は波乱万丈! 比嘉一貴が上々のスタート

2019年度のシード権を獲得したのは 昨年の「カシオワールドオープン」終了時の賞金ランキングから、出場義務試合数に満たないガルシア(53位)とハーディング(63位)、ピーターソン(68位)をのぞいた上位65人と、さらにその翌週の昨シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で前週の圏外から、ランク64位に飛び込んだ宮里優作を加えて66人。

さっそく1月17日に開幕した今季の海外初戦「SMBCシンガポールオープン」から、出場資格として適用されて、日亜の共同主管は両ツアーで出場枠を分け合い開かれた。
熾烈なV争いの末に、タイのジェーンワタナノンドに2位に敗れた藤本に次ぐ日本勢として、川村らと12位タイの好順位につけたのが新星の比嘉だった。

今季、8人いる初シード選手の一人である。
「アジアの選手はみんな飛ぶし攻めるし、アプローチも上手い。いろんな選手の中でやるのは楽しい」と、昨1年ですっかり馴染みの舞台で躍動した。

最終日の4番パー5は、左からの風を計算し尽くして2打目をグリーンのカラーまで運ぶと、10メートルのイーグルトライをパターで沈めてイーグルを奪った。
それと同時に「少しちらついた」という上位4人に得られる全英オープンの出場権には届かなかったが昨年、アジアで揉まれた経験を、さっそくこの初春に生かした。
毎日中断と再開を繰り返す波乱の展開で、通算6アンダーをマーク。プロ3年目の今年こそ、新春から順調な滑り出しで存在感を見せた。

去年の今頃は、どん底からのスタートだった。
東北福祉大の最終学年に受けた一昨年のQTサードで失格。
しかし転んでも、タダでは起きなかった。
自分に落ち込む時間を与えず、アジアンツアーのQスクールに挑戦。
昨季の亜二部ツアーの資格を取ると、4月のバングラデシュで初出場Vをあげる。

帰って6月。旧チャレンジのAbemaTVツアー「南秋田CCみちのくチャレンジ」で、国内プロ初V。
さらに10月、推薦で出たホスト試合のブリヂストンオープンから一気に3戦連続のトップ10入りで、初シードを手にしてみせた。

身長158センチと小柄でも、松山英樹の後継候補として東北福祉大に在学したころから「普通にやれば、自分もツアーで活躍できる」と、堂々と言ってきた。
最初のつまづきにもメゲずに有言実行。
昨季の賞金ランキングは60位でスルリと、初シードにもぐりこんだ今季こそ、さっそく上々のスタートラインに立った。

この後、日本ツアーは4月の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」まで、オフもこのままアジアに腰を据えるつもりだ。
昨年の活躍で、出場権がある亜二部ツアーを回りながら、課題の体力強化と調整につとめる。
「アジアでもシードを取りたいので。帰ったら日本でも、頑張ります!」。
4月には、いっそう逞しさを増していそうだ。

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