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三井住友VISA太平洋マスターズ 2020
男子初のミレニアムVならず。中島啓太さんは2差3位
1差の3位タイで迎えた最終日は、早朝4時半に目が覚めたという。
「緊張して…。平常心でプレーができるか心配でした」。
目覚ましまでは、と目をつぶるが寝られない。
なら、マスターズ中継でも……と思っても「ベッドにいると、緊張しちゃう」。
諦めて、宿の大浴場に行った。
どうせなら、と「早めにコースに入って正解でした。練習しながら、緊張がほぐれてきた」。
目まぐるしく動くリーダーボードで上位に踏みとどまり、15番では3人タイの首位に並んでも「緊張で、体が動かなくなるということはなかった」という。
キャディをしてくれた、大学先輩の石川航さんと力を合わせてマネジメントを組み立てながら、談笑したり「おかげでリラックスしてできたと思う」。
スタート前には、兄の遼ともグータッチ。
石川兄弟に、感謝のV争いになった。
4日間で奪ったバーディ19個は、今週の最多である。
でも、「数が多いというのはよいことですけど、ボギーだったり、もったいないミスも多かったなという印象。風の強い中で、自分の力が足りなかった。マネジメントはできても、対応できなかったのが原因」と、冷静に敗退を分析した。
昨年のこの大会で、金谷拓実のアマVを見て、優勝への気持ちを強くした。
あの時、畏怖を持って金谷の優勝を出迎えた御殿場の18番で、今年は出迎えられる立場とはなったが、自分はベストアマどまり。
グータッチだけして別れたが、尊敬する2つ先輩はこの日のプレーをなんといってくれるだろう?
「あとで連絡してみます」と、微笑んだ。
このまま続けて、次週のダンロップフェニックス(宮崎県・フェニックスカントリークラブ)で、プロ2連戦に挑む。
「100%、しっかり準備をしていくのが大切。練習日から良い準備をして、上位を狙っていきたいと思います」。
男子ゴルフはまだ、2000年生まれの優勝がない。
早期のミレニアムVが待たれる。