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フジサンケイクラシック 2020
昨年覇者不在の再開初戦。朴相賢がコメント
昨年の「フジサンケイクラシック」で3年ぶりのツアー2勝目を飾った韓国の朴相賢(パクサンヒョン)は、「久しぶりに日本ツアーのみなさんにもお会いしたかったので、とても残念」。
本大会の開催が決定されたときは、本当に嬉しかった。
今年シード7年目。
「やっとまた日本でプレーができる」と、さっそく渡航準備を始めたが、すぐにその手続きは暗礁に乗り上げた。
確かに、8月5日から外国人の入国制限は緩和された。
日本の在留資格を持つ外国人の再入国が、条件付きで認められることにはなったが、今はそもそも新規のビザが、発行してもらえない状況であることが分かったのだ。
昨年のビザは、コロナ禍で更新できないままとっくに期限が切れている。
「日本に行きたくても、行けなかったんです」。
朴だけでなく、外国人選手のほぼ全員がエントリーフォーマットにペケ印を入れるしかなかったのは、それが主な理由のひとつだ。
大型台風の接近に追われながら、優勝を争った昨年大会。
刻々と天気が崩れていく中で、最後まで優勝の瞬間を見届けてくださったギャラリーのみなさん。
プレー中は天候状況を知る余裕もなかったが、帰路はあちこちで交通網が乱れていて朴も大変な目にあった。
「それでもあんなにたくさんの方がコースに残っていてくださったんだ」と、ジン…ときた。
「僕にもたくさんの声援を送ってくださって、本当に嬉しかったです。昨年は、本当にありがとうございました」。
連覇を狙うかわりにいま改めて、母国から感謝の思いを届けた。
韓国ツアーは先週までに、6試合の日程を終えたが、「会場で仲間と会うたび『早く日本ツアーに出たいね』と話しています」。
一昨年は賞金王に就いた母国ツアーでも、若手の勢いは目覚ましく「うかうかしていると、僕の居場所がなくなりそうです」と37歳は、苦笑しながら自分に鞭打つ。
コロナ禍で、家族と過ごす時間が格段に増えたのは嬉しいが、息子2人の遊び相手は、近頃もっぱらパパの仕事。
「試合に出ている時より忙しくて、バテそうですよ」。
日本での転戦生活が、ますます恋しい今日このごろ。
「日本のみなさんにお会いできる日が、本当に待ち遠しい。その日を楽しみに待ちながら、今週はとにかく『フジサンケイクラシック』が無事、大成功に終わることを、お祈りしています。僕もしばらくは、韓国で頑張ります。日本のみなさんもファイティーンです!」。
昨年覇者の柔和な笑顔が浮かぶよう。
朴をはじめ、外国籍のシード選手が全員出揃うのは、いつの日か。