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ANAオープンゴルフトーナメント 2021
2打差2位。ファッションリーダーからイケメンパパゴルファーへ。矢野東の13年の歩み
実力も兼ね備えたイケメンゴルファーとして、威勢を放った。ファッションセンスも抜群で、他選手も参考にするほど。
44歳の今も若い選手たちから「優しくて、カッコいい先輩」と、その風貌は衰えを知らないが、あれから紆余曲折を経て、13年ぶりの復活優勝を狙ういま、矢野東(やの・あずま
)をとりまく環境はがらりと変わった。
シード落ちと、復活を繰り返した14、15年。
「昔から、ボールをコントロールしようとすると、フェイスに早くボールを当てたくて、手と体が近くなる」と、スイングのクセからくる右ひじの痛みで手術に踏み切ったのは17年6月だ。
「内視鏡で穴を5本開けて。術後は太ももくらい腫れていた」と懸命のリハビリと、スイング改良に取り組み、昨12月に行われたコロナ禍の特別QTでは”優勝”を飾ってツアー復帰。
一方で、結婚をし、可愛い一女一男を授かり、公傷時に出会った河野勝成コーチと、最新のゴルフメソッドを取り入れたレッスンスタジオの監修と、YouTubeも始めた。
「ゴルフはゴルフ、仕事は仕事、育児は育児でがんばっています。生活は100%ゴルフじゃない。子供といる時間はたぶんあっという間に終わっちゃうし、ゴルフは散々やってきたので、いまはそういう時間も同じくらい大事です」。
3歳になる七楓(ななか)ちゃんと、1歳の新(あらた)くんとの毎日のテレビ電話で、早くおうちに帰ってきて、と泣かれるたびに「嬉しくて、辛い」。
5年ぶりの出場を果たした輪厚で、あの矢野が、すっかりパパの顔をしていた。
3日目に、6バーディ1ボギーの「67」で、首位と2打差の単独2位につけたが、「今日はスコアがよかっただけで、内容はひどかった。朝の練習場から感じが悪くて、タイミングが取れずに苦しみました」と、言ったが13年前みたいなガツガツした感じはなかった。
最終日は日大のうんと後輩の大槻智春と、16年以来5年ぶりの最終組で回るが「諦めずにやっていれば、なんとかなる。それまで我慢」と、泰然自若。
「目標は明日も4アンダー。もう1日68で回れたら、今年のANAオープンは100点です」。
満点パパなら、子どもたちとも笑顔で会える。