ここはメジャーよりも速いといわれるグリーンだ。
コロナ禍の昨年9月にデビュー戦を飾ったが、昨年の今大会は中止。
今年初出場の学生プロが「人生で一番速い」と言うのも当然だ。
「ショットはびたびたグリーンに乗って、でもパットが入らず3アンダーでした」と石坂友宏(いしざか・ともひろ)は、初日こそおっかなびっくりだったが3日目にしてタッチも距離感も、ぴったりと合わせてきた。
特にシビアなホールが続く後半は7メートルを沈めた13番を皮切りに、14番で6メートル、16番では10メートルと、長いパットを立て続けに4連続バーディを奪った。
「66」で回って通算13アンダーとスコアを伸ばした。
「今日の目標は5アンダーでしたので。1打上回る結果に」と、最後18番パー5も奥ラフから上手く寄せるバーディ締めで、堀川と並んで首位で並んだ。
デビューして、1年足らずではや4度目の最終日最終組に挑む。
もっともスコアが動くといわれる3日目の土曜日はツアー通算31勝で、永久シード選手の片山晋呉とツアー14勝で、欧米ツアーの参戦経験を持つ百戦錬磨の谷原秀人と同じ組。
ただでさえ圧の強い2人のベテランに挟まれ「お2人とも凄い選手で、前の日に組み合わせを見た瞬間、凄く緊張はしましたけど、よし、やってやるぞという気持ち」と、スタートの1番から物怖じせずエンジン全開。
122ヤードの2打目を51度で1メートルにくっつけバーディで出た。
日本ウェルネス大3年時の昨年、11月のダンロップフェニックスで金谷拓実と史上初の学生対決に敗れて2位。
その後、たびたびV争いに絡むが勝ち切れていない。
「明日は優勝したいという、強い気持ちで挑みます」。
激動の20ー21シーズンも今大会を含めて残り5戦。
22歳の悔恨は残さない。