あと3日で43歳になる。
プロ21年目のベテランには、何かと感慨深い34回目の最終日最終組になる。
2013年以来となる大会2勝目を狙う。
谷原秀人が、最終日を前に2位と2打差の単独首位に立った。
初日、2日目より風は弱まったが、「(風速)1、2メートルと聞いていたのにかなり吹いてるじゃん…」と、相変わらず悩ましい風と、シビアなピン位置に、頭脳と経験をフル回転してプレー。
前半3バーディと、冷え込みが増した後半は度重なるピンチも、ボギーは16番のひとつでこらえた。
迎えた最後の18番では「ラッキーみたいなバーディが来た」と、10メートルを沈めてベテランのガッツポーズも出た。
万感の思いで歓声を浴びた。
「ギャラリーがいないと戦う意欲がわいてこない。今週は、入ってくれてほんとに嬉しい。感謝してます」と、2年ぶりの有観客開催を噛み締めた。
2週連続で最終日を共に回ることになった大学後輩の金谷拓実は、2007年から地元広島で立ち上げたジュニア大会「谷原秀人ジュニアクラシック」に、初回から4年連続で出場。
その試合後にはレッスンもしているが、「覚えているわけないじゃん! 今まで何百人もいるんだから…」と、笑いながら「いい選手に育ってくれて。プロになって一緒に戦えるというのは嬉しいですよ」と、しみじみ。
「先週も一緒に回って、球も飛んでるし、曲がらない。なんでボギーを打つんだろうという感じ」と、金谷の上がり3連続ボギーには真顔で首をかしげて「上手いのはわかっている」。
うんと年下に敬意を表して「強敵に、どこまでついていけるか。おじさん、頑張ります」。
05年に米ツアーに参戦し、17、18年には「もっとうまくなりたい」と、40歳を前に欧州ツアーでプレー。
19年にいったん戻ったが、「チャンスがあったらまた行くつもり」。
不屈の42歳は、いくつになっても世界で戦い続ける姿勢を、若い選手に示し続ける。
今季だけでも4度目の最終日最終組。
ここ御殿場で、2013年に節目の通算10勝目を挙げたが、「昔すぎて、覚えていない」と苦笑。「また新たにですね」。
鍛え抜かれた体は今もバキバキ。
身も心もまっさらに、5年ぶりの通算15勝目に挑む。