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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2021
先輩には甘えない。ガッツポーズも変えないよ。大岩龍一、我が道をいく
先週の「ミズノオープン」では、自己ベストの3位に入った。
プロ3年目の大岩龍一(おおいわ・りゅういち)が、ビッグタイトルの今週こそ逆転の悲願に挑む。
この日の第3ラウンドは、6差の6位タイから猛然と首位を追った。
前半3番から4連続バーディは、6メートル→2.5メートル→1メートル→1メートルと立て続けに「これも、これも入るんだ、と。このパットの調子が続けばいい」と祈りをこめて、これでもか、とガッツポーズを握り続けた。
「昔は本当に下手くそでしたが、今はパットでなんとかこの位置にいられる」。
片山晋呉も教えた谷将貴コーチに堀越高校時から、師事する。
「4種類ほどパットのドリルがあって、早ければ1時間ほど。終わらないと4,5時間は帰れない」と、現在は平均パットでランク1位に。
特訓を重ねてきた成果がいま、大舞台で威力を発揮している。
ここ宍戸はオフによく、日大先輩の星野陸也に誘われ一緒に回る。
「陸也さんには、いつもボコボコにされてきました」。
現在、アメリカ遠征中の星野なら、攻略法にもきっと詳しい。
「勝ち方もご存知だと思う」。
今晩、ラインで答えを教えてもらうという手も考えたが「先輩に甘えるというのはどうかな…?」。
正解は、やっぱり自分で出すのがいい。
「自分なりの考えでやって、もし勝てたら答え合わせは先輩が帰ってきてから」。
嬉しいニュースはサプライズがいい。
日本ツアーでの最終日最終組は初めてだが、19年に稼ぎ場を求めたアジアの二部ツアーでは、成功体験済みだ。
最終日最終組から出た「プレーヤーズ選手権」では、最終ホールで2打差を追いつき、プレーオフで逆転。
「最後まで何が起きるか分からない。何打差あっても、最終組でプレーできれば勝つチャンスがあることを学んだ」。
経験を生かす好機がやってきた。
この日、何度握ったかしれないガッツポーズは、最後がいちばん派手だった。
6メートルのバーディ締めで、気迫のこもった右拳。
でも、「みんなにはよくダサいって言われます。変えたほうがいいのかな…?」。
一応は、23歳の見栄えを気にしながら「明日はそんな余裕もないですね」と、笑った。