Tournament article
フジサンケイクラシック 2021
靴のサイズは29センチ。ケンシロウが大いに名前を売った1日
突如、その名を強烈に印象づけた。
プロ7年目のケンシロウこと、池上憲士郎。
今までどこにいたのか。何をしていたか。
今週、次々と明るみになった。
香川西高校で、ひとつ先輩だった賞金2位の木下稜介が「先輩にも物怖じしないタイプ」と、証言。
180センチの長身で、ゴルフスタイルは意外とステディ。
「足のサイズは30.5センチくらい。いつも『合う靴がないんですよ』と言っていた。高校でそうですから、いま35センチくらいあるんじゃないか…」(木下)。
最終日を争った今平周吾は同級生だ。
中学からの仲良しで、ラウンド中もにこやかに談話。
「性格はいいっスよ」と、今平。
プロになってもよく一緒に練習すると言い、「ティショットは曲がらないし、アイアンショットも良いし、パターも上手い。上位に来ておかしくない選手」。
数々の評価も納得の活躍を、ケンシロウはした。
序盤は2打差の単独2位から懸命に石川遼を追いかけた。
2番でボギーを先行させたが3番パー5で、ピンそばのみごとな逆襲。
すぐ生き返った。
5番、6番、8番と10番では7メートルをしのぐなど、まさに不死身のパーセーブ。
石川を捉えて単独首位に立つと、後半から今度は今平との首位争いにもひるまず、「もっと来いよ、と思ってました」とその根性は、名前通りの格闘家。
人気アニメ「北斗の拳」が由来。
「ケンシロウが攻めた〜!」と、中継のアナウンサーが絶叫したのは3差で迎えた16番だ。
800万円がかかった池越えのパー3。「賞金を狙っていました。8番アイアンを持っているのにあそこで逃げたら面白くない。攻めていった」と、ピン2メートルを捉えるショットで2打差。
しぶとく今平を追う姿に、テレビ解説の丸山茂樹が「今までなんで上に来れてなかったんだろう?」と、不思議がっていた。
名前を大いに売った1日も、18番で2メートルのパーパットがカップに蹴られたのは無念。
沈めれば単独2位だった。
現地ウェイティングで開幕朝に潜り込み、最終日には今平との最終組を経験。
「やっと周吾と一緒にできた。強さを間近で見て凄く勉強になりました」と、そこは素直だったが石川と並んで自己最高位も「自信になったかと言われましたら、僕はあんまり認めたくない」と、ケンシロウは意地っ張り。
「良い経験ができたなと言いたいですけど、最後のあれが外れちゃうと、良い経験というより悔しさのほうが大きい。あれを入れきるメンタルを作らないとダメ。もうひとつ、何か足りない」。
すっかり名前と顔が知れたケンシロウ。
次の試合でその不足を獲りに行く。
それと「僕の足のサイズは29センチです」。
プチ情報修正も忘れなかった。