Tournament article
日本プロゴルフ選手権大会 2021
シニアからレギュラー選手へのギフト。5サムのプロアマ戦
JGTOが、男子ゴルフのレギュラーツアーを主管するのに対してPGAは通常、50歳以上の男子プロで戦うシニアツアーを管轄するが、本大会は唯一、PGAが開催するレギュラートーナメントであり、出場資格や大会フォーマットもPGA独自の形で行われる。
開幕前日の水曜日に行われるプロアマ戦も独特だ。
JGTOではプロ1人に対して、ゲスト3人で回るのが通例だが、今回はゲスト3人に対して、シニアとレギュラープロが1人ずつ。
なんと”5サム”の大所帯でワイワイ回る。
ゲストに思い存分楽しんでいただくための趣向と、もうひとつは主催者からレギュラー選手たちへの”ギフト”。
シニア勢は今大会に出場できない選手がほとんどだが、わざわざこの日のためだけに駆け付けてくれたのは、今後に役立つおもてなしの極意を若手に伝授するため。
経験で培われたのはいぶし銀の技だけではない。
「シニアのみなさんは、ご接待もやはりさすが」と、うなったのは選手会長の時松隆光(ときまつ・りゅうこう)。
この日は、芹澤信雄とペアを組んだが「とにかく、教え方が上手いんです。僕が教えると、チョロさせたりしてしまうところを、芹澤さんはそれが一切なかった。的確に指導なさっていてすごい」と、感心しきりだ。
昨年の就任から人前で話す機会が格段に増えた時松には、芹澤のお喋りも大いに参考になる。
「上手に盛り上げられていて、本当に勉強になりました」。
「いやいや〜、我々も若返っていいよ」と、芹澤。
「ゲンちゃんも頑張って教えていたし、男子ゴルフは大丈夫だね」とお褒めの言葉ももらって、今後の会長職にも自信のつく有意義な1日だった。
また、この日は青木功もJGTO会長ながら、PGAの”シニア枠”で参戦。
選手会理事の市原弘大と組んで、ゲストをもてなした。
青木とプロアマ戦を回るのは、アジア共催の大会に続いて2度目という市原も、「青木さんのレッスンは、アマチュアの方にも分かりやすくて的確で、盛り上げるのも本当に上手」と、感嘆。
「そばで聞いていて、ゴルフを難しく考えがちな僕にも学ぶことがありました。もうちょっと、シンプルにやったほうがいいんじゃない、って…。凄く参考になりました」。
翌日からの本戦にも大いに役立つ18ホールになった。