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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2021
出発まであと3試合。石川遼が再挑戦(ライブ中継は12時30分から)
先週はすでに初秋の北海道から、今週の京都は開幕前日も、最高気温32度を記録するなど残暑が厳しく、夏季限定の短パン姿で練習ラウンドに出た石川遼は、ハーフでいったん休息を取った。
空き時間で取材に応じている間に雷雲が近づいてきて、雨が降り出した。空模様を気にしながらも質疑応答にたっぷり答えた。
先週の誕生日週に続いて今週も、石川のまわりはにぎやかだ。
来月行われる米二部「コーンフェリーツアー」の予選会に、セカンドステージから挑戦することが分かったのは20日の月曜日。
最終ステージまで勝ち進めれば、再びアメリカを拠点に米レギュラー「PGAツアー」への昇格を目指す。
30歳を期に、再挑戦に向かって駆け出す。
「大きな決断だったが、何歳からでも遅くない。やりたいことをやろうと思った」と、石川は思いを語った。
13年から5シーズンを戦い、17年に出場権を喪失した時にも米二部ツアーから、復活への道は残されていたが、「その時は行きたくなかった。まったくその価値が見えていなかった」という。
15歳の2007年に、最年少優勝を飾ってからツアー通算17勝。
「初めて出させてもらったプロの試合で優勝して、日本では下積みという経験がないと言っていいと思うんですけど。ずっと華やかなところでやらせてもらってきましたので」。
必ずまたアメリカに戻ると誓ったが、当時はあくまでも「いったん帰って、日本で積み重ねて、ポイントを稼いで、ワールドランキングをあげて」という道筋しか頭になかった。
気持ちに変化が生まれたのは、昨年の「ZOZOチャンピオンシップ」や今年の「全米オープン」など、コロナ禍で海外参戦を重ねたあたりからという。
「ひとことでいえば環境。ゴルフ、コースのセッティングや景色だったり生活面。アメリカで当たり前に試合が続いていくこと。プレーすることが日常になること。すべてにおいて慣れることが大事、と」。
スポット参戦で挑むメジャーはいつも、よそゆきの顔をしていた。
「すごく特別に感じてしまう。 気持ちもゴルフも、1試合でアジャストしていかないといけないこともすごく多い」と、限界を感じていた。
「まずは1年続けてやってみて、自分の現在地を良くも悪くも見てみたい」。
米二部ツアーの、しかもセカンドステージからの再挑戦を決意した一番の理由である。
「アメリカで勝つとか、上位でやる。世界ランキングで自己最高より上に行きたい、とか。30歳になったことで、いま持っている目標への時間がくっきり見え始めた」という。
出場権を失い戻ってきた2017年時は「山登りの装備が足りなかった」と悔いていたが、「いまは4年前と絶対に状態が違う。登るための装備を備えてきて、それをアップデートしていく。エベレストと似たような隣の山を登る感じで、より近い環境で積み重ねていけるものがあると思える」。
体も、心も準備が整った。
今後の賞金ランキングによっては、最終予選からのチャレンジが可能となり予定も変わってくるが、現時点では出発まで日本であと3試合。
着々と再出発の準備を整える。
インターネットライブ中継は12時30分から!!