Tournament article
パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2021
ウッズに金谷に菅野さん「優菜にも相談」登場人物でいっぱい! @中島さんのV会見
中でも頻度1位はダントツの金谷拓実(かなや・たくみ)だ。
アマのナショナルチームで転戦するときいつも同部屋だった。
「モチベーションの高さなど、アスリートとして尊敬できる人。金谷さんの背中をずっと追いかけてここまで成長してきた」。
昨年10月に、金谷がプロ転向した時には寂しさで涙が出た。
悩んだ時は、すぐに連絡して今もアドバイスを求める。
初日に80を叩いて予選敗退した全米アマでは「心が折れた。どう立ち直ったらいいですか?」。
「しっかりと自分と向き合っていくこと。データを元に練習すること。金谷さんも実践されているそうなので。僕も自分と向き合うことと、準備をテーマに取り組んできた」。
本大会は、体調管理を理由にお休みだったが「試合が始まる前に、金谷さんから『優勝して』というラインをいただいて」。
次週の「バンテリン東海クラシック」では、練習ラウンドの約束をしてある。
「いい報告ができます」。
史上5人目のアマVは19年の金谷(三井住友VISA太平洋マスターズ)に次ぐ快挙。
「後に続けて光栄です」と、存在を意識して喜びも倍に。
今週、キャディをしてくれたのは日体大1年で後輩の鈴木隆太さん。
マネジメントに迷う中島さんに、パー3以外の全ホールでドライバーを打たせてくれた陰の立て役者だ。
この日、同組で回った河本力さんは大学のひとつ先輩。
「今朝もジムですれ違ったしいつも一緒に頑張っている人。一緒に優勝争いできて良かった」と、大いに励みに。
コースで貫いた21歳のポーカーフェイスにはお手本がいるという。
「18ホール感情を出さない。きっかけは、金庚泰(キム・キョンテ)さん」。
史上初の韓国人賞金王(2010年、15年)だ。
「かっこよくて憧れて。サングラスも真似して」。
身長177センチの背筋をピンと伸ばした歩行姿の参考は「ナショナルチームで一緒だった岡崎廉さん」などとぞろぞろ名前が出てくる。
タイガーウッズに憧れて、6歳の誕生日プレゼントにジュニア用クラブをせがんだのがゴルフを始めたきっかけという。
中3の日本アマ2位でプロ入りを意識し、高校卒業時に転向も考えたが日体大へ。
「あそこで転向していたら、絶対後悔していたと思う」。恵まれた環境で体作りとゴルフ固めに専念してきた。
今週の女子ツアーで2週連続Vで今季4勝を飾った西村優菜さんは、同じ2000年生まれ。
高校時代はナショナルチームで一緒だったが「僕らの世代は女子が強くて合宿でもいつも下っ端でした」。
6月の日本アマ時には、不調に悩んで「優菜はどうやってるの」と相談。
「そしたら僕の気持ちになって返事をしてくれて、自信を持って、と最後はポジティブなアドバイスをしてくれて。嬉しかった」と、同学年への接し方もどことなく弟気質。
好きな女優さんは木村文乃さん。
「大人っぽい人が好き。お姉ちゃん子なんで」。
年が離れた姉の由貴さんと美貴さんにかわいがられた。
最初にゴルフを教えてくれたお父さんは正昭さん。
お母さんは美知子さん。
「いつも支えてくれる家族や地元で応援してくれる方々、大学のチームメイトやナショナルチームのジョーンズコーチに恩返しができた」と、そこは涙ながらに話した。
マスターズを制した松山英樹や、全英オープンに勝ったコリン・モリカワの話題に混じって最後に飛び出した名前は菅野智之さん。
「ジャイアンツファンなので。エースとして自覚を持たれている。尊敬する人です」。
21歳の一端が垣間見えたさわやかな優勝会見だった。