そんな環境の中でも、トレーラーを特殊加工して作られた、移動式トレーニングルーム「フィットネスカー」が、選手たちの心と身体の拠り所となり、日々、そのサポートでプロゴルファーの活躍を下支えしている。
1992年の初運行から32年目となるが、当時から従事する、JGTOオフィシャルアスレチックトレーナーの成瀬克弘さんに伺うと、「連戦の疲れから、身体の捻転がしにくくなり、股関節や背中の違和感を訴える選手が増えてきます。また、ラフからのショットも増える為、手首から頸にかけて痛みや張りが増えてきます。」と、この時期ならではのポイントを的確に説明してくれた。
確かに、腰や背中の痛みが原因で、止むなくプレー続行できなくなってしまった選手も出始めているが、それでも懸命なケアが、そんな状況を最小限に抑えているようだ。
また、BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップの大会2日目には、昨年からフィットネスカーの活動を支える、「コスモヘルス株式会社」の鈴木優輔代表取締役も視察に訪れ、JGTO青木功会長と懇談。
「才能溢れる選手でも、たった一つの怪我で選手生命に影響してしまう。予防医学の観点から、長く活躍する選手を多く輩出したい。」という鈴木代表の信念のもと、PGAシニアツアー・コスモヘルスカップなども開催して、ゴルフ界を盛り上げている。
フィットネスカーは大会週の火曜日から日曜日まで、選手がスタートする前、そして選手がホールアウトして駆け込んでくる日没後も、成瀬さんを中心に3人のトレーナーが時間の隙間なく対応にあたる。
トーナメントのテレビ中継では紹介されない、こんな風景も、トーナメントの裏側で日々行われている。