6打差からの逆転なら、大会の最多差記録だった。
快挙に大いに現実味を持たせる最終日の猛攻だった。
2番から、連続バーディを奪うと今度は5番から4連続。一気に追いつくと、そこから大混戦に加わり13番のピンそばバーディで、単独首位へ。
さらに15番で2打差をつけた。
ここから一気に抜けたいところで宍戸の罠が待っていた。
距離のある難しい17番パー4で、170ヤードの2打目が手前の池に。
ダブルボギーを叩いて、3人タイでまたもつれて最終ホールへ。
1.3メートル残したパーパットをしのいで先に通算11アンダーで上がり、後続を待ったが、最終組の比嘉が、3メートルのバーディチャンスを沈めて決着。
2週前に、2年連続のプレーオフに敗れた「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント」に続いて、今度は追い上げての2位だった。
「僕は最後、1.3メートルでも緊張しました。あれを決められる一貴はすごい」。
プレーオフに備えていた練習グリーンで、勝者の大歓声を静かに聞いた。