バンカーやハザードなど、いくつか手が加えられた中でも、お気に入りリストの一番は13番だ。
実は「細い川が好き、渓谷好き」という石川の目が輝いたのは、フェアウェイを横切る清らかなせせらぎ。
「きれいな川が出来ていて。より“映(ば)える”というか。輪厚はすごく有名だし、誰でも一度は回ってみたいと思われているコースだと思うんですけどよりアクセントになっている」と、名門の“新名所”を絶賛。
「冷たい川が好き」と、練習日には実際に流れに手を浸して感触を確かめ「スゴかった」と、スマホでの撮影も忘れず、しっかりとお気に入りに収めたそうだ。
もちろん、コース全体の仕上がりも申し分ない。
みっしりと密集したラフも、グリーンの状態も「きれいすぎるくらいきれいで。今までプレーしてきた輪厚の中で、いちばんのコンディション。この状態でプレーをさせていただけるのは幸せでしかない」と、べた褒めした分だけ警戒心も高まる。
2015年の優勝時はほぼすべてのホールでドライバーを持ったが「今年のラフはもう、2倍くらいの長さになったら全米オープンクラス。林も難しいですし、あまり油断しないほうがいい。調子に乗らないほうが良さそうです。リスクマネジメントも重要」と、大事な1週間の初日は、正午12時からそろりと踏み出す。
17日の3日目に、31歳の誕生日を控える。
今大会では毎年ほぼ高確率で重なり、今年は決勝ラウンド第1日にあたる。
「今年は祝えるかわからない」と歴代覇者はより慎重に、まずは予選通過を課して「ここで誕生日を迎えたいなと思います」と、改めて決意をこめた。