先にピン近くに乗せた石川の2打目を見てから打った。
131ヤードのフェアウェイからピッチングで放ったボールはピン奥約1メートルをえぐってからワンバンでカップイン。
石川がのけぞった。
本人も一瞬、何が起きたか分からなかった。
パー4のイーグルで決着。
向こうのグリーンから聞こえてくるどよめきと、やまない拍手に紛れて石川も、セカンド地点で大槻の右手を取った。
今季だけでも2位が3回。
5月の「ゴルフパートナー PRO-AM」では2年連続プレーオフ負け、という屈辱も味わった。
「勝とう勝とうとして必死でやったが、なかなか勝ちきることができませんでした。僕の中ではとても長く感じて、凄く苦しくて…」。
2019年の「関西オープン」に続く3年ぶり2度目の水シャワーに「勝つということは、これだけ気持ちがいいんだと。再認識させていただきました」。
悔しさを耐えてきた分だけ歓喜と奇跡の反動はデカかった。