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日本オープンゴルフ選手権競技 2022

@蟬川泰果さんが6打差V王手「誰にも真似できないプレーを」100余年の歴史更新まであと1日

日本と名のつくタイトルをアマが制した記録は唯一、本大会第1回の1927年を制した赤星六郎氏のみ。

21歳が、100余年の歴史を今にも塗り替えようとしている。
勝てば、プロの試合でツアー史上初のアマ2勝もかかる。

主催のJGAがしかけた3日目の罠も仕掛けも軽々と越えた。
「63」で通算13アンダーまで伸ばして、2位の比嘉一貴と6打差つけた。

蟬川泰果(せみかわ・たいが)さんが歴史を揺るがす快挙に王手をかけた。



東北福祉大4年の今年は、QTからプロに挑戦するはずだった。
だが、先月9月の「パナソニックオープン」で、前年の中島啓太に次ぐ6人目のアマVを達成して「来年の職場」が決定。

「気持ちに余裕が出て、そこまでの緊張は感じていない」と、プレーも心構えもすでにプロ同然。

「僕がちっちゃいころは、アマチュアが真似出来ないようなプレーが見たいと思ってトーナメントを観に来ていた」と、常に意識するのは観客の目線だ。


隣市の兵庫県加東市出身。
「ゴルフネットワークやYouTubeで見てきたPGAツアー選手のように予想を超えるプレーを見せたい。それこそ、ウッズみたいに」と、地元の大応援団に囲まれスタートから燃えた。


1番で下りの1メートルを沈めて「流れに乗った」と、連続バーディ。
3、4番の連続ボギーも5番の3メートルに続いて、「7メートルをねじ込んだ」と、7番ですぐにかき消し迎えた9番ではこの日一番の“タイガドラマ”を演出。

319ヤードにセットされたパー4で「刻むという頭はない。距離的にも合うので、せっかくだったら観に来てくれた人たちを沸かせたい」と、3Wを強振。


渾身の1打がグリーンを捕らえた瞬間、どっと沸いた歓声に「アドレナリンが出た」と、右8メートルのイーグルトライもねじ込み2度、3度とガッツポーズで応えた。


そこからは、もうタイガ劇場が止まらなかった。
ターンしてすぐの10番では10ヤードの第3打をチップイン。

「プロの試合で勝とうというならどんな条件であってもどれだけ伸ばしていけるか。今日もバーディ獲ることしか考えていなかった」と、11番以降もグリーンを狙うショットは、どれも入りかけの好プレーを続けて、最終ホールを迎えるころには地元のファンをすっかり虜に。


心酔した男性に、「すぐにも凄いプロになれるよ!」と、声をかけられ「ありがとうございます」と、大きな笑顔で頷いていた。


「ギャラリーの方がいるラウンドは、自分たちも楽しめる。歓声があがるほうが、テンションあがるので楽しい職業だなと思います。どのプロの方も、そうなんじゃないですか?」。

近い将来を夢見ながら、残りわずかなアマ生活を、プロの試合で満喫し尽くす。


大会史上95年ぶりのアマVや、プロの試合で史上初のアマ2勝や、1980年の倉本昌弘(中四国オープン)に続くアマの完全Vや、2014年の池田勇太が記録した10アンダーを越える大会最少ストロークなど、数々の歴史的な記録更新まであと1日。

「このスコアで満足せずに明日も1日、8アンダー出すくらいつもりでしっかり勝ちきりたいなと思います」と、アマ世界1位は最終日も手を緩めるつもりはないようだ。

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