記念の日は文化の日とも重なり、スタートから地元応援団の熱気に包まれた。
この日のために、有志が用意してくれたという「TAIGA SEMIKAWA」の応援タオルは、蟬川自身が好きだというピンク色。
「うれしいですね。それだけ注目されているんだなと思えました」と、おのずと気分も高まった。
プロ初日の組み合わせも2008年に、ここでプロ初勝利を飾った石川遼と、昨年覇者の浅地洋佑と豪華絢爛。
「一生の思い出になる」と、胸に刻んだ記念の第1打は誰よりもまっすぐ前に飛び、ピンそばのバーディ発進に成功。
ここから一気を演出するはずだったが、ボギーにした4番、5番と10番、17番に加えて、18番パー5も1メートルを逃して“3パット”のパーで終了。
「えーっ…」と、本人が一番自分に失望し、「これを外すのか…」と、肩が落ちた。
「今日はパッティング。3パットを5回(4番はカラーから)もした。真っすぐ構えているつもりでも、全然左に行っちゃって。こんなに下手だったかと。自分じゃない感じ」と、グリーン上で落胆続きだ。
「今日のゴルフは10点」と、自己採点し「たくさんに観に来ていただいたのに、いいプレーをお見せできなかった。正直、がっかりしています」。
今季出場6戦のワースト順位に、「正直、この位置というのは久々なので。心構えをしっかり持っておかないと。トップ選手ばかりの中での試合なので、少しでも気を抜くと結果を残せていけない。自覚を持って臨みたい」と、2日目の上昇を模索する。
「緩んだり、撫でちゃったりきょうは気持ちよくストロークができてなかった。その辺りを直したい」と、急ピッチで修正に励む。
スタート時は「手が震えた」と、緊張もあったが、「プロである以上は自分の世界に入っているだけではダメ」と、常にファンの視線を意識してプレー。
スコアを崩した後半も、笑顔を忘れず応対し「自分がもっといいプレーをすれば、ギャラリーも増えると思うので。自分のプレー次第でお客さんも呼べるかなと感じました」と、さっそくプロの自覚を深める1日とした。
12番のパー3では6アイアンのティショットが入りかけなど、持ち味でしっかりと見せ場も作った。
「ショットが悪いわけじゃない。かみ合ってくれば上位に行けるはず」と、前を向く。
同組で回った石川も「今日は3パットがあったが、ほんとそこだけじゃないか。ショットは相変わらずめちゃくちゃ上手いし、ポテンシャルを感じた。かみ合ってくれば、60台も出せる」と、太鼓判を押した
「落ち込んでもしょうがない」と、蟬川。
「7アンダーとか出せればまだまだチャンス。今日の結果を受け入れて、明日も全力でプレーするだけ」。
2日目こそ“タイガチャージ”で挽回だ。