石川遼が、史上4人目の大会3勝目に向けて、首位と2打差に2位タイに浮上した。
2アンダーの10位タイから出たこの日は1番、2番に続いて3、4番では8メートルを沈めるなどスタートから4連続バーディがあったが「正直、ご褒美的要素があった」と、むしろ本人自身が高く評価したのはそこからすべてパーで収めた残りの14ホールだ。
風が吹き、厳しいピン位置に、たびたびピンチにさらされた。
15メートルを2パットでおさめた5番や、510ヤードと距離のある6番パー4も、「3Uで打って、2打目を4Uで打って、2オンしてパーが獲れた」と、技ありセーブ。
「17番(パー3)も、奥のラフからパーが獲れたり、きょうは最初の4連続バーディがメインじゃない」。
ロケットダッシュに浮かれず、歯を食いしばって堪えたホールこそ値千金。
2年前からスイング改造に取り組むが、「徐々に変えることも減ってきて、落ち着いてきている。練習とコースとの差が縮まりつつある」と、完成まぢかを予感する。
グリーン上では、佐藤賢和キャディの影響で、つい最近から指を立てて芝目を読む「エイムポイント」を始めるなど「さらに自分を高めていけるように取り組んでいくだけ」と、挑み続ける。
50回目を迎えた思い入れの今大会で、大会は10年ぶり、通算では2019年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」以来となる通算18勝目を模索する。
史上最多となる18000人超のお客さんを集めたのは、石川が大会5位につけ、その年史上最年少賞金王に輝いた2009年だった。
記念大会に合わせて観戦無料としてくださった今年は平日としては、今季最多の動員数を連日更新。
「これだけ長く開催していただいている重みを感じていますし、50回を一段と盛り上げようという主催者の方々の思いを選手たちも感じています。僕も、ありがたいなという気持ちでプレーしています」と、感謝をこめたV争いだ。
今の男子ツアーは蟬川泰果(せみかわ・たいが)を筆頭に、「タイガ」の名前を持つ若手が増殖中だが、「リョウ」も負けられない。
共に2位タイにつけた勝俣陵や、海外ツアーに挑戦中の久常涼もいる。
「2人とも僕はリョウと呼んでいますが、何のリョウなのか。あだ名があってもいいかもしれない」と同名ゆえの混乱について思案しながら、「今度は3人で一緒に回れるように頑張りたい。楽しみですね」とまずは大好きな御殿場で、勝俣と3日目のリョウ争いに興じる。