初優勝の2006年に初シード入り。
14年継続した賞金シードは109位に終わった昨季、すでに途切れていたが、2018年「パナソニックオープン」で得た複数年シードは今季まで。
大会を、賞金ランキング75位で迎えた武藤俊憲(むとう・としのり)も、シード最終戦の予選敗退で、来季の出場資格を喪失した。
大会は、カットラインの3アンダーに1打足りない70位タイ。
「カシオで、3アンダーカットなんて我々の世代では、聞いたことがない。今の子たちは普通なのかもしれないけれど」と、まずそんなところにも、昨今の“台頭波”を痛感してしまう。
「飛ぶし、パットもアプローチも上手いし、それだけいい選手が日本にも揃ったということ。ゴルフが変わった気がする。令和のゴルフになった」と、平成を生き抜いたベテランがうなり声を上げる。
今季は6月の「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」の12位タイが最高で、予選落ちが11回。
「ケガではない。クラブも振れている。ドライバーは飛んでるし、アイアンもずっとバーディチャンスについている」。
手応えがある分だけ歯がゆい。
「腕なのか、体なのか。自分でも分からない。なんで結果が出ないのか。答えがあったら教えて欲しい」と、つぶやいた。
「44、5歳からあるよ」と言っていた先輩プロの手嶋多一の言葉を改めてなぞる。
「なかなか自分の感覚とフィットしない。体が変わってきて、というのがあるらしいんですけれど…」。
思い当たる節はあっても「別にこれで終わりじゃない」と、精一杯に抵抗する。
「QTで上位に入ればもう1回。推薦で出るのも手ですから」。44歳も、来月6日ー9日の「ファイナルQT(宮崎県トム・ワトソンゴルフコース)」から出直す。