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フジサンケイクラシック 2023

「Sっぽい? 知らんけど」片岡尚之のドMな1日

打たれても、うちのめされても、それすら喜びに変える。
それが富士桜の戦い方だ。

プロ4季目の片岡尚之(かたおか・なおゆき)が、2日目を通算4アンダーの4位タイで終えた。


知らんけどw


全長7424ヤードの富士桜は例年より長く伸びたラフと硬いグリーンがさらに怪物の牙を剥く。

「乗んないんで、このコースはワンパットのパーになっちゃう。距離もありますし今年はほんと硬いので。手前で止めようと思うとグリーンの手前で止まるし、キャリーで行こうとすると、奥のラフに行っちゃう。ボギーを打ったら打った分だけオーバーになる」と、前半12番でボギーを先行させたらよけいに弱音が止まらない。


16番ではティショットを池に入れたが、ドロップゾーンから打ち直した第3打をピンにくっつけ、なんとかボギーに収めた。

1オーバーで折り返した後半は、4番でアプローチをミスしてまたボギーとしたが、この日は終盤にあたる、6番、8番のチャンスホールが待っている。


「この2ホールを楽しみに、前半ずっと耐えてきました」と、言ったとおりに6番パー5で2打目を刻んでチャンスにくっつけ連続バーディ。

8番でもしっかり伸ばすと、思わず深いため息がこぼれた。

「このコースはドMにならなきゃやってられない」と、悲鳴もこぼれた。


「普通はバーディ獲るのが楽しいじゃないですか。でもここではどれだけナイスパーを奪えるか、どれだけパーで喜べるか。そういう気持ちでやっています」。


2020年のプロ転向はコロナのまっただ中。
その年は、軒並みトーナメントが中止となったが、それでも選手のためにと開催してくださった本大会がデビュー戦だったが、初日の18番ホールで真横に飛んだティショットが管理棟まで行って、トリプルボギーを叩いたのは忘れもしない。


マゾヒスティックな戦いは、プロ人生初日から始まっていた。
「普段の自分はSっぽい? ・・・知らんけどw」。
難コースは性格をも変える。

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