ムービングデーと言われる土曜日のフロントナインは、林に入れた6番パー5をアプローチでしのぐなど「ナイスパー!」の大歓声を励みに、「1ホール1ホールどう攻めるのか試されている。ずっと我慢、我慢」のプレー。
7番では「かなり曲がるフックライン」の5メートルが決まらず、8番では1.5メートルも逃して結局、ついにスコアを動かせずに前半はオールパーに終わったが、「自分の流れではない」と達観していた。
「後半もタフなコースが続く。気持ちを切らさず、最後まで集中してやりたいな」と極力、淡々とターンし、「もう、これしかなかった。けっこう追い込まれている状況」と、やっとこの日最初のバーディを絞り出したのは、上がりの難関16番だ。
216ヤードにセットされたパー3で、6アイアンで作ったバーディパットは8メートルもあったが「パットに賭けるしかない。これを引き出すしかなかった」とねじ込んだ。
ラフに入った17番を今度はアプローチでしのぐと最後18番は、スプーンから48度で3.5メートルのチャンスを作ってバーディ締め。
2打差3位にしがみついた。
2005年にコースが富士桜に変わってから、初の連覇を達成した2010年はまだ18歳だった。
「これほどタフなセッティングでプレーをやらせてもらえる機会は少ない」と攻略に白熱し、この日はちかごろ夏定番のバゲットハットから、久しぶりにバイザーに戻したことすら意識から飛んだほど。
「風がふわっときたときに、あ、今日は・・・と気がついた」と、苦笑し「やり甲斐もある。試されている。なんとか頑張りたい」。
13年ぶりの大会3勝目へ。
最終日こそ31歳の技を引き出し経験を絞り出す。