ツアー通算18勝。2012年には賞金王にも就いた。
1997年から52歳の2021年まで23年連続賞金シードを続けた。
シニア入り当初はまだ「居心地が良かった」というレギュラーツアー。
だが、20-21年に賞金シードを手放し、生涯獲得賞金25位の資格を行使した昨季はついに出場機会も失い、「最近はお邪魔させてもらっている感じ」と笑うが、「長いこと活躍するっていう難しさがプロゴルファーにはある。そういうのを感じてもらえれば・・・」。
今年5月には、ABEMAツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」で26年ぶりにチャレンジ出場したあと、「ゴルフパートナー PRO-AM」でレギュラー参戦し、月末には「全米プロシニア」に挑戦。
異なる3舞台を股にという希有な経験をしたからこそ「若手の刺激を受ける反面、シニアツアーでは上の方の凄さというのも凄く感じる」という今こそ伝えたいことが、藤田にはある。
「50ヤードは置いて行かれる」と、飛距離ではかなわない。
「自分たちの時代は刻んで、良いところから狙っていくけど、若い子たちは信じられない攻め方をする」と、マネジメントの違いも顕著。
「今の子って、何が凄いかって、バーディを取る力。予選カットも上がっているし、先週のANAオープンも2桁アンダーが何十人もいて、凄いレベルで優勝争いしている」と、度肝を抜かれてばかりだ。
「時代は変わった。自分みたいに、ボール置いて置いてとやってると、置いて行かれる。そういうところから、刺激ってなかなかもらえなくなって苦痛しかない」と痛みも受け入れ、「先週とは違うステージで、また若い人たちに揉まれたいと思います」と、格闘する姿を見せる。
初日の12時20分から共に出る前田光史朗(まえだ・こうしろう)は23歳。
「30歳以上差って・・・自分と青木(功)さんくらいなんで。そう考えると恐ろしい」と、震えながらも嬉しそう。
「先週は2位に入っているし、今の若い子は、飛ぶだけじゃなくてショートゲームも上手い。どういうゴルフをするかは見てみたい」と、今季デビューの新人との初対戦も楽しみだ。
「自分は優勝とか、そういうニュアンスにはなってこない。まずは決勝ラウンドに進み、頑張ってるな、と思ってもらえるところで回れれば・・・」。
同一年に、レギュラーとシニアツアーを制した選手は過去5人いる。
<同一年にレギュラーとシニアを制した選手>
杉原輝雄(1989年レギュラー1勝、シニア2勝・1990年レギュラー3勝、シニア1勝)
金井清一(1990年レギュラーシニア共に1勝)
青木功(1992年レギュラーシニア共に1勝)
中嶋常幸(2006年レギュラー1勝、シニア2勝)
プラヤド・マークセン(2017年レギュラー1勝、シニア4勝)